浮気・カレー味・赤ちゃん
棒を振り下ろすとあちこちで本が舞う。
相手がどのような能力を使うのかわからない以上、出方をうかがうのがセオリーなのだろうが、これいじょう黄昏書店をあらされたくもない。
意を決して棒を振り回している男に斬りかかった。
金属同士がぶつかり合う音が響いて。振動が手間で伝わっくる。その衝撃から逃れるように一歩引いた。なにがおこったのか一瞬わからなかったが男が棒で佑の剣を受けたのだけは間違いない。
見た目は木なのだけれど。もしかしたらあれは金属なのか。
「おら!浮気してんじゃねえぞ」
佑に意識が集中しているところへ永遠が殴りかかる。男の死角からの攻撃。それを避けることはできないはず
「っ!」
男の横っ腹に入ったはずの拳を永遠は引っ込めると苦々しい表情を浮かべている。
「まるで赤ちゃんみたいだな。お前ら。大した事ないにもほどがある。早く三代目を出さないと死ぬぞ」
三代目が勉さんだとして。ここにはいないのだから出すもなにもないのだけれど.。それが理解してもらえるとは考えにくい。その気があるならこんなに早く暴れ始めないだろう。
「くそっ。さっき食ったカレー味のオムライスが重ってぇ」
永遠の言葉に同意してしまう。確かに食べたばかりの身体は思うように動かなかった。美味しすぎて食べすぎたなんて恥ずかしすぎて言えやしない。
そしてだからといって男は待ってはくれない。
「永遠!やつはなにか着込んでいるのか!?」
そのためにも能力を探らなければ。きっとなにかあるはずだ。
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