おりがみ・ぞうさん・の刑
「わぁー」
首が痛くなるまで見上げなければならないほど大きなその図書館は隆司くんのリクエストだ。
隆司くんが行きたいと行ったのはまさかの図書館だった。それも大きな図書館。
「ぞうさん!}
そうざんというか、銅像なのだけれど。そんなものがお迎えしてくれる図書館なんて聞いたことがない。
「ほら。隆司。静かにしよ」
「図書館は静かにするもの」
本屋さんに住んでいるのだからそのあたりは教えられているのだろう。自分でそう気づいて言い始める。
「おりがみの本が読みたい」
最近ハマっているいるのだろうか。これだけ本があればどこかにはありそうだけれど。これだけあると探すのも大変そうだ。
「これで調べられるよ」
氷姫がタッチパネル式の端末を操作している。タイトルさえ入れればどこの棚にあるかを教えてくれそうだ。
これがなかったらなにかの刑みたいなことになるのだから当然なのだけれど。進んでいる技術に妙に感心してしまった。
「おりかみっと」
おやと不思議なことに気づく。氷姫は目覚めたばかりで現代の技術に詳しいなんておかしいのだけれど。迷うことなく操作している。適応力すごくないか。
「佑さん。どうかしました?」
氷姫が佑の視線に気がついたのか不思議そうな表情を返してくる。
「い、いや。なんでもないよ。ほら。探しに行こう」
出てきたレシートを頼りにおりがみの本を探しにむかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます