どこでも・魔法使い・バナナ
食事を終えた
「バナナパフェなんてかわいいものだけでよかったの?」
そう思っていなのだけれど気のせいみたいだったようなくらいあっけらかんとそんな風に話しかけてくる。
「だけってこれからどんなことが待っているのかわからないのにお腹いっぱいには出来ないだろう」
これは半分本当で半分嘘だ。目の前であんなに一所懸命食べられたらみているだけで胸やけがしてしまったほどだ。
不意に辺が黄昏色に染まる。
「えっ。なに、なに?」
楓も気がついたようで慌てふためく。
「口裂け女てどこでも出てくるもんなの?」
焦りのあまり妙なことを口走ってしまう。そんなこと楓も知るはずもない。
前から大きなマスクをした女性が前からゆっくりと歩いてくる。黒い長髪をゆっくりと揺らしならがまっすぐこっちに向かって歩いてくるのは間違いなさそうだ。
「えっ。あれがそうなの?急に出てきすぎじゃない。心の準備ってものがあるでしょ」
物語に文句を言っても仕方がないことだし、しばらく時間がかかると思っていたのが初日から見つけられたのだ、幸運だと思わなくてはならない。
とりあえず、先制攻撃が常套手段なのだが、彼女は本当に口裂け女なのかという不安もある。いやな雰囲気がするのだからほぼ間違いないと直感は告げているのだけど。
「あ、あのどうかしましたか?」
こちらに近づいていくるそれにこわごわと声をかける。
「ねえ。私ってキレイ?」
疑う余地もなく口裂け女である証拠を向かうから提示してくれた。マスクを外すと大きく裂けた口が大きく開く。
「下がって」
驚いて声も出ていない楓は後ろの大人しく下がっていく。その表情は恐怖に震えている。
とりあえず。遠距離から様子を見る。先日の少年から得たジョブチェンジを使う。服がローブに変わっていく。
「えっ。ほんとに魔法使い?」
楓が驚く。どこまでもなにも信じていなかったようだ。
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