伝説の・おこづかい3ヶ月分の・なめくじ
伝説の魔法使いと名乗る少年がいると聞いたのは町についてすぐのことだ。奇妙なことにそれが本当であること、それについて疑問に思う町の人たちがいない。という事象があった。その魔法使いに襲われている人たちが多数いるのにも関わらずだ。
どこにいるかは分からないが、目撃情報が多数ある場所を張り込むことした。時間が経っても現れず近くに居たなめくじをじっと見ていた。ようやく彼が現れたのは太陽が沈み始めた頃だった。
そんな正直に現れるものだと思っていなかったのでどうしていいかわからなく戸惑ってしまったほどだ。それが伝説の魔法使いだとわかったのも、その身の丈ほどの大きな杖をもち、コスプレにしか見えないローブを身にまとっていからに他ならない。
物陰に隠れてしばらく様子を伺っている余裕ができたのはその間だれも通らなかったからだ。もしかしたら噂が広まりすぎていてここは避けられているのかもしれない。
相手が何者で何を目的としているか分からない好都合だったのだが、しばらくすると不自然なことに気がついた。
なにやらずっと誰かと会話しているのだ。電話をしたているようには見えない。なんならふたり分の声が聞こえてくるような気もする。内容までは聞き取れないので、もう少し近寄ろうかと思って動いたその時だった。
「「誰?」」
不覚にも気が付かれてしまった。おとなしく出ていくしかないと諦めて出ていくの少年がふたりいて驚いた。
「お兄ちゃんこの辺じゃ見ない顔だね」
そう片方が無邪気にしゃべりかけてくる。
「僕たちの邪魔をしに来たの?」
もう片方が警戒しながらそう問いかけてくる。
「いや、この辺で襲われると聞いて調べていたんだ。犯人は君たちでいいてこと?」
向こうから白状してきたも当然のこの展開にどうしていかわからない部分もあったが、こうなればやけくそだ。
「させないよ!ファイヤーボール!」
無邪気な方がいきなり大声を出したかと思えば、握りこぶしサイズの火の玉が杖の先から現れてこちらへと飛んできた。必死になって避けた。
地面にそれがぶつかったと同時に熱気がこちらまで襲ってきて、直撃したらダダですまないことは分かる。
「そこっ!アイススパイク!」
もう片方が同じ様に氷の棘をだすとこちらへ同じ様に放ってくる。体勢が崩れたままでは避けきることが出来ずにあちこちにかすり傷ができる。
こっちも必死になるしかなくて、イメージして腕を機械仕掛けへと変化させる。そのままビームを放った。
「ああっ!ぼくたちのおこづかい3ヶ月分の杖が!」
身体に当てるのは気が引けたので杖を狙ったのだけど、それが彼らの怒りを買ったらしくそこからは一方的にやられ続けたのだ。そうして、逃げられたあと、ひとりぼんやりと傷を癒やしていたのだ。
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