第15話 眠りの中で

私は「死の闘技場」に繭を作りその中で、眠りについていた。そういえば私が人間だった時は魔法なんて無かったのに、大蜘蛛になって気がつけば、魔法やギルド等色んな変化があったな…

いつの間に異世界に来たんだろう…そんな風に考えていた。繭の中では赤子の様に丸くなり静かに眠りについていた。




その頃人間達の世界では、1部の勇者及びギルドマスターが行方不明となったと噂になり、各国では緊急を要していた。各国の王が集まり話し合い、魔法ギルドではなく全て傭兵として扱う方針に固まっていた。

アイアースはガウラがリーダー格となり国の方針に従い始めていた。

ガウラはゴブリンに負けた事が未だ腑に落ちていなかった。いくら武装していたとはいえ、数十人のゴブリンに負けるなんて…そう日々思っていた。

ガウラの肩にはトカゲが居た。トカゲのことは皆ペットか何かのように思っているのか警戒されている様子は無かった。

「ガウラその首のマークは何かしら?」

「え?」

ルカが近づき話しかけてきた。確かにアラクラに噛み付かれた跡とは別に刻印の様なマークが見えた。

「わからない…教えてくれてありがとう、ルカ」

「いいのよ。ただ、呪いかも知れないから気をつけてちょうだいね?」

「わかった。」

そんな会話をして、魔法ギルドから傭兵ギルドとしての準備を行っていた。




私は誰か来る気配を感じ意識を少し現実に戻していた。空の裂け目では堕天使達が頑張っているが押され気味でいつ、「死の闘技場」に入ってきてもおかしくない。牛頭馬頭も戦闘態勢の様だ。

睡眠も取れたし自分から行くのも悪くないがもう少し様子を見させてもらおう。

なんて考えていたら「死の闘技場」に衝撃が走った。繭も牛頭馬頭も耐えたが、牛頭馬頭の体力は半分程に減った。誰が来たのかなぁ〜なんて考えていたら繭をノックする音が聞こえた。

【こんばんは蜘蛛さん】

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

さよなら人間、こんにちは人外 オオカミ @DendokuTOKAGE

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ