第10話 死霊戦
中央に歩み寄ると、黒く大きなマントをつけた頭の無い騎士が2体立っていた。
片方はランスと盾を持ち合わせ、
片方は両手鎌を持ち合わせていた。
周りのリザードマン達は鱗やオーガの腕等微かな生きていた残骸を残していた。
2人の黒い騎士は多分ディラハンだろう。首はどこにもないけど。
私に気づくと無い口から雄叫びを上げ、走ってきた。私はランスで突かれる動きを見てそっとランスの上に乗った。すると暴れるがそれくらいでは私の体幹は崩れるはずもない。
するともう片方のディラハンが両手鎌を上から振り下ろした。ギリギリまで引き寄せ横にそっと避けるとランスと鎌がぶつかり合いお互いに呻き声をあげていた。
『ワハハハ!君達弱いねw』
あ、煽っちゃった。
その言葉を聞いた2人のディラハンは怒り狂い、攻撃がむちゃくちゃになった。死霊でも怒りとかあるんだとまた1つ知った事に感謝し、次々と避けていた。ある事をしながら。
そして5分と経たないうちに2人のディラハンの呼吸は荒れていた。呼吸も必要ってお前ら死霊じゃねぇのかよとツッコミたいのを抑えて、もういっかと思い上2対の脚を出した。
後ろで見ていた村人達の悲鳴は無視し、目の前のディラハン達の驚きも無視し、左右2本ずつの脚でディラハンを押さえ付けた。そして指をパチンと鳴らした。音と同時に片方のランスと片方の両手鎌はバラバラに壊れ騎士の足の部分はもう、歩けないほ程に、切り刻まれていた。
そして片方のディラハンを目の前に無理やり立たせ、鋏角を立て噛み付いた。みるみる小さくそして何も無くなった。片方のディラハンは暴れるが私に勝てる訳もなく、こちらも鋏角で美味しく(美味しくはないむしろ不味い)頂きました。
2対の脚をしまう際に馬車の奴らに、糸をつけていた為、脚をしまうと同時に宙から落ちてきた。
その時の呻き声は聞かなかったことにする。
『ギヒヒ君達、つまらないね』
「ひぃぃ…い、命だけは」
『ハハ自分達は奪うくせに逆になったら命乞い。実に滑稽』
私は指を鳴らした。それはこの人間たちの脚を糸で封じる為の糸の配置。もう逃げられない。
そして生き残ったリザードマンとオーガが周りを囲んでいた。
『命が欲しけりゃコイツらにでも縋りな』
そういい馬車の者たちは声をあげたがもちろん聞き入れられる訳もなく、肉塊になるまで叩きのめされた。
私はガウラの所に行き、生存確認をした。村のもの達が薬草などを使っていた為か息はある。
「あ、悪魔」
『ありがとう』
そう言われ満面の笑みで返してやった。
そして勇者だった者を連れて私は帰路に着くことにした。村?そんなの勝手に復刻でもなんでもすればいい…いや手伝うか…後々変な噂流されても面倒だしな。
『おい、村人達は魔物達と住む気があるか?』
「…」
『逆に魔物たちは人間たちと住む気があるか?』
【…】
『お前ら今各々生活した所で尽きるのが目に見えてるだろ。だったら手を取り合って生活したらどうだ?物資は私が何とかしてやる。アイアースの名にかけてな。』
【物資だけ寄越せ、俺らはこいつらと住んでも良い】
「私達も魔物と住むことは嫌では無い。白殿、ソナタが居なくなれば…」
『利害の一致だなwなら俺は居なくなる。だから物資が欲しければアイアースに連絡しろ。』
【お前はもっと最前の行動が出来たはずだ。何故しなかった。】
『何故?皆私をなんだと思った?間違っても味方なんて少しも思わなかっただろ?』
「【…】」
『そんな奴らに手を貸すと思うな?ましてや魔族、私は忠告もした。それを無視したのはお前らだ。俺が悪いなんて思うなら弱い自分たちを責めろ。』
そう言い私はガウラを連れ村を去った。
ガウラはこの話を聞いていたかどうか知らんが言及はしてこなかった。
ギルドに帰ったら…面倒なことになりそうだ…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます