第49話 国語の成績

 文法は全く勉強しておりません。


 小学生の時は授業中によく発表する子で、主人公の心情なんか先生に問題で出されると、考えなしで手を挙げていました。先生に指されてから考えるタイプ。間違った答えでも褒められるんですよね。あとは漢字をしっかりと覚えてくれば、国語の成績は4か5を取れる。


「キミは国語が得意だねぇ」


 そう先生に言われると、そうなんだ、と調子をコクわけです。


 中学に入り、古文、漢文という厄介なモノが入ってくると、「こんなの国語じゃねえ」とスルーし、現代文の方で頑張れば5は難しいけど4はくれる。終いに10段階評価になってくると、「7か8かな?」なんて思ってると、そこに「6」なんかの評価されると、「漢文のせいだ。あんなの日本語じゃねえ」と開き直る。まあ日本語じゃないんだけど。

 なんだよ「レ」って。ありゃあ日本語じゃねえんだから、英語とかと一緒だろ。なんで国語なんだよ。別の教科にしろよ、くらいに思ってて現代文が良ければ国語はOKだと思っていた。


 小学生の頃、先生に「あの答えはテストではペケだけど、読み方、感じ方は人それぞれだ。ああいう間違えは、先生は好きだ」と曖昧なことを言われた。大人の今だから、先生は鼓舞するつもりで言ったのはわかるけど、子供の頃の僕は、好きと言われると正解だった答えよりも崇高な答えを出したんじゃないかと勘違いしてしまうわけです。

 あの時、「ちゃんと文章読め!どこに目をつけている!」なんて言われてたら、しっかり勉強したのかもしれない。

 だけど、ああいう先生に言われて国語が好きであったり、小説に興味が持てたのも事実だ。


 そして大人になって気づく。


 あー、僕は国語が苦手だぁ。

 本を読むのも遅いし、難しい本とか読めない。説明書やマニュアル書など読んでいると、全く頭に入ってこない。機械の説明書なんて読むの嫌だから、ポイっと放ったままいつも無くしてしまう。ここはちゃんと知識として知っておこう、とネットで円安とかの説明を読んでも「で、なによ」と全く理解していない。だから国語はあんまり得意ではないと感じる。


 でも、多分好きなんだなぁ。


 暇さえあれば読むのは遅いけど好きな作家の本を読んだり、病院での待合室も本かスマホで字を追っていれば、長い時間待たされても平気だ。出張の時は必ず本を持っていく。寝ちゃうけど新幹線で読むのだ。

 読むのが遅いくせに、どんどん本を買ってしまうので山積みになる。

「字」が好きなのかもしれない。


 そんな僕の小説は、多分文法なんてメチャメチャだ。他のカクヨム作家さんのを読ませていただくと、みんなちゃんとまとまってるし、文章上手いなぁ、と感心してしまい、自分の下手さ加減に落ち込みます。

 僕の小説は、やたらとキャラが多いので主語が多い。自分で書いていて誰が喋ってるかわからなくなっちゃうから「彼」「彼女」で書くことが少ない。それが読みづらいと言う人もいるだろう。けれど、頭に浮かんだ映像を拙い文章で埋め込む。そういう作業。


「文学」と肩肘張らなくても、「どれどれ、国語が苦手な奴がどんな文章書いてるのかなぁ」とハードルを下げて読んでいただけると嬉しい。そんな奴でも完結までは書けます。そんな奴でもカクヨムコン、エントリーしてみました。

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