第18話 隠キャと陽キャ

 この言葉、あんまり好きじゃないんですよね。


 こちら昭和の人間ですから、今ドキ(もう古いのかもしれませんが)の言葉があまりしっくりこない。

「エグい」とか。極力そういう言葉は避けてるつもりでも、話し相手に釣られて使ってしまうと、少々照れます。


 話を戻します。

「隠キャ」と言われると、「ネクラ」と想像してしまうが、なんとなく違うように使われてる気がします。アニメ好きでインドア。普段はおとなしいのに、専門的なことになると振り切ってテンション上がる人のことを言ってるのでしょうか。でも、人ってそんなもんじゃないですか。


 僕が自身も漫画が好きだし、基本インドアで、スポーツとかアウトドアは好きじゃない。じゃあネクラかというと、人と集まると冗談を言ってウケを狙って目立ちたいので、ずっと喋ってる。これって、隠キャと陽キャ、どっちなんですかねえ。

 他人からどっちか指摘されたら、どっちもしっくりこない、と思っているのは自分だけか。


 中学まではお調子者で通っていたと思う。でも高校の時は全く逆だった。知らない奴が多いから「アウェー」な感じがするのだ。唯一、部活では「ホーム」な感じで、お調子者になっていた。

 人って、「隠キャ」か「陽キャ」は、「アウェー」か「ホーム」で時と場合によるのではないか。

 多分、人って、どっちの要素も持っていて、「アウェー」を感じれば引っ込み思案になってしまうし、「ホーム」であれば調子付いてしまうのではないか。


 学生の時、今で言うところの「1軍」と言うのでしょうか、目立ったグループで必死になっている奴を見ると引いてしまうこともあったし、ネクラで無視されているような奴と話してみたらメチャクチャ話が弾んで面白かったり。

 40歳超えると、地元にいるもんだから同級生にばったり会った時、地味な子がメチャクチャ美人になってたり、モテてた奴が太ってハゲたオッサンになってたり。


 時期によっても、「隠キャ」の頃と「陽キャ」の頃があったり、場面場面でどっちかに転がったり。すげえ明るい奴の家庭環境がものすごく荒んだものだったり。


 んー。何を言いたいのか、わからなくなってきた。


 とにかく、僕の書くキャラクターも、全体的にはふざけた奴が多いが、過去に傷があったり、おちゃらけたキャラクターにシリアスな場面を作ったり。


 明るいキャラ、ネクラなキャラに振り切って書いてしまう方が楽なのですが、そうすると人物像に立体感がない。そんな振り切った人って、世の中にいないんじゃないかな、と思っています。


 だから、7:3か6:4くらいの割合で、「隠」の部分と「陽」の部分を書くことを心掛けてるというか、そうなってしまいます。


 その割合って、案外自分のことかもしれませんね。



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