泡沫の夢が現実になる時 *
カーテンを閉め切って薄暗い部屋の中。周囲に脱ぎ散らかした服をそのままに、下着姿の梨子に覆いかぶさっている。
「ん、やだぁ……びちょびちょになっちゃう」
「後で洗濯すればいいだろ」
俺が指で既にうっすらと湿り気を帯びていた下着の上から梨子の秘部を刺激すると、下着が更に濡れていく。優しく捏ねるように弄ってやれば短くも甘い嬌声を上げながら小刻みに腰を揺らすので俺の下半身も大いに刺激された。
しっとりと濡れたショーツの中に指を滑り込ませると梨子が身体が震える。
「っ、あ、」
短く喘いだ梨子の唇をキスで塞ぎながら秘部を指で擦り上げるとどんどん蜜が溢れてきた。上でも下でも奏でられる淫靡な水音を聞いているとより自身の欲望が高まってくる。
唇を離し梨子を見るととろんとした顔で俺を見上げていたーーーーあの夜のように。ふと、兄貴のことを想いながら俺に抱かれる梨子が脳裏を過り、頭を振る。
「まさや」
するりと俺の頬に梨子の手が伸びてきた。
「好き、大好き」
俺をまっすぐ見て微笑む。
「雅弥だけが好きだよ」
手はそのまま俺の首裏に回され、梨子は俺にぎゅうっと抱きついた。俺の中に生まれた小さな不安に気づいたのだろう。だから大丈夫だと教えてくれている。
「この先ずっと雅弥だけだから」
「……うん」
「お嫁にもらってよね」
「え」
唐突なプロポーズに俺は瞠目した。俺を好きだと自覚したのがほんの少し前だと言うのに将来の約束まですっ飛んでいいのか。こいつは本当に突拍子もないと言うか勢いで突っ込んでくると言うか。
「何、嫌なわけ!?」
俺が訊き返したのが不満だったらしい梨子がやや不機嫌な声音になった。
「いや」
俺は梨子と密着していた身体を僅かに離す。
「!?」
驚愕、と言って表情で俺を見ている梨子に笑みを向けた。
「俺が婿に入るほうがいいだろ、お前一人娘なんだから」
「! ど、どっちでもいいよ!……雅弥の傍にいれるなら」
梨子が照れ臭そうに口を尖らせつつ目を逸らす。ああ、やっと手に入った。どうしても欲しくて焦がれて焦がれて焦がれ続けた、梨子の気持ちが。
「梨子、こっち向いて」
俺が強請ると梨子は素直に俺と視線を合わせた。
「愛してる、梨子」
梨子の顔横に肘をつき顔中にキスの雨を降らせながら、もう片方の手で彼女の胸の膨らみを覆う下着を取り払う。指腹で胸の頂に触れ、そのまま捏ねるように弄った。
「ひゃ、ぅん、」
梨子の顔へのキスを止め、続いて俺は弄っていない方の乳房を手のひらで包み込むようにやさしく揉む。揉みながら顔を近づけ尖った頂を口に含んだ。舌先で舐め転がすように頂を刺激する。
「ん、んっ」
梨子は何かを耐えるように口元を己の拳で覆いつつ内腿を擦り合わせていた。指で弄っていた方の頂を真上からぐりぐりと押し、反対の頂は歯を立てながら吸い上げる。
「ゃ、ぁ、だめ、」
小さな悲鳴に目線を上げると、気持ちよくなっている自分が恥ずかしいだけのようだった。嬉しくなって口の端を上げるとエッチだの意地悪だの言われてしまった。ご期待に応えて(?)視線を合わせたままの状態で乳頭を舌で舐め転がすとまた馬鹿だのエロ魔神だの言われた。エロ魔神ってなんだ。
俺はそのまま舌を下腹部へと滑らせていく。梨子が逃げをうとうとするが腰をがっちり固定して逃さないようにした。
梨子のショーツを引き下げ、取り払う。両の腿裏を持ち上げ脚を広げさせれば蜜でたっぷりと濡れそぼった秘部が露わになった。
「や、そんなとこ近くで見ないで」
「だめ」
羞恥で瞳が潤む梨子のお願いを却下して内腿に舌を這わせながら秘部へと近づいていく。
「丁寧に解さないと辛くなるからちょっと我慢な」
「あぅ、ひぁっん」
舌先で秘部の蜜を舐め取ると梨子の身体がしなった。花芯を舐めながら腿裏に添えていた手を離し、今度は割れ目に触れさせる。
「痛かったら言えよ」
「ぁ、」
つぷ、と指を割れ目の奥へと進めた。秘部から顔を離し、梨子の顔を見る。
「大丈夫か?」
俺が訊ねると梨子は下唇を噛み締めながらコクコクと首を縦に振った。
「こら、唇を噛むな」
半身を起こし梨子の顔に自分の顔を寄せる。下唇を舐め、ちゅっと音を立てるように数度啄みながら、指は膣内へと進めて動かした。
「ぁ、まさやぁ」
「指増やすよ」
「ぅん、ぁ、ふぅっ」
「苦しくないか」
「ぁ、だい、じょ、あっ!そこ、ま、ってぇ」
膣の奥の少し膨らんだ部分を二本の指で押すと、梨子は俺の腕を掴んで首を左右に振った。
「ここ?」
「押しちゃだめっ」
「いや?」
「アッアッアッ……ちが、あっ」
引っ掻くように指を動かすと梨子が短く喘ぎながら脚をガクガクさせる。秘部はびしょびしょになっていた。
「痛い?」
腟内を指で押し拡げながら問う。梨子は再び首を横に振った。
「気持ちいい?」
俺が訊くと恥ずかしそうに頷く。ヤバい、可愛い。俺の欲望が下着の中で膨れ上がっているのが分かる。梨子の中もトロトロに解れているので頃合いだろう。
俺が下穿きを取り払うと梨子は瞠目した。前回は酔っていたから憶えていないのだろう。梨子の痴態に昂ってそそり立つ俺自身を前に、彼女は目を白黒させている。
俺は陰茎に手を添え、梨子の秘部に先端を擦り付けた。
「んぅっ、擦らないでぇ」
「いや?」
「おかしくなっちゃうからぁ」
「気持ちいい、だろ」
亀頭で焦らすように花唇の割れ目を幾度も愛撫する。淫猥な水音が心地いい。俺の欲望が質量を増す。それを見て梨子がこくりと喉を鳴らした。不安と期待が入り混じったような、そんな表情に見える。
「挿れるな」
「ん……ぁ、」
グチュリと割れ目に先端を押し込んだ。一気に進めるようなことはしない。まずは浅いところを内壁を擦るようにゆっくり抽き挿しする。
「苦しくないか?」
俺の問いに首肯したのを確認してから、緩やかな抽挿を繰り返しながら徐々に奥の方へ進めていく。できるだけ痛くないように梨子の反応を注意深く観察すると、最初こそ異物に割り入られる感覚に耐えている様子だったが丁寧に押し拡げられた膣内が俺のモノに馴染んだのか、次第に表情も緩んできた。俺の額に浮かんだ汗が頬と顎を伝い、パタリと梨子の肌を濡らす。梨子の最奥に到達した。
ふう、と一つ息を吐く。一旦ここで動かすのを止めた。
「奥まで入ったけど大丈夫か?」
訊ねた瞬間、梨子の眦から涙が一筋流れる。
「?! わ、悪い、痛かったか!?」
俺は慌てた。辛いなら早く抜いてやったほうが……。
「ちがう、うれしいの……雅弥が私の中に入ってるって思うとうれしくて」
「梨子」
「大切に触れてくれてうれしい、ありがとう……大好き」
涙を浮かべて幸せそうに微笑む梨子が綺麗で、愛しくて、堪らなくなって貪るように唇を奪う。息継ぎすら惜しい。
「んぅぅぅ……!」
本当に息継ぐ間を惜しんで口づけを交わしていたので梨子が苦しそうな声を漏らした。やりすぎたか。名残惜しくも唇を離すと、互いの唾液で濡れた梨子の唇が扇情的に光っていた。薄く開いた唇からは荒い呼吸が漏れている。とろんと俺を見上げる姿がますます性欲を煽る。
「そろそろ動いていい?」
俺がそう言うと梨子は俺の腰に手を回した。
「うん」
梨子の言葉を合図にゆるゆると腰を動かす。梨子も同じ速度で腰を揺らめかせた。梨子の中は熱くてキツくて気持ちいい。
「ヤバい……溶けそう」
「あ、だめ、へん、へんになっちゃう」
「大丈夫」
俺は梨子の片方の手を取り指を絡ませる。
「だから、もうちょっと激しくしていい?」
「……ぅん……して」
俺の手を握り返して消え入りそうな声で呟いた。
俺たちの腰の動きと共にギシギシとベッドが軋む。ぱちゅぱちゅと音を立てて腰を打ち付ける度、梨子が甘い嬌声を漏らした。梨子から発せられる声も、汗も、匂いもあまりにも甘美で、まるで麻薬のように俺を興奮へと導いていく。
「まさや、あっ、すき、すき……」
俺が打ち付ける腰の速さを速めると、梨子もそれに合わせるかのように腰を揺らした。
「腰揺らすの上手だな。かわいい」
「ゃ、ちが、ちがうのぉ」
恥ずかしそうに嫌々とする姿にまた興奮して、梨子の最奥に陰茎を擦りつける。
「あっあっ、そんなの、も、イッちゃうぅ」
「気持ちいい?」
円を描くように腰を動かすと梨子から熱い息が吐かれた。
「そんなにしたらもう、わたし」
「イキそう?」
「ぅんん」
「じゃあもっと動かすぞ」
「へ……あんっ!」
一気に腰を引き、そして奥に楔を穿つ。
「あっあっっまって、はげしぃ、ぁぁっ!!!」
腰を動かす速度を上げるほど、梨子の嬌声も大きくなる。
「っは、梨子っ……!」
ズン、と一層強く最奥を穿ち、肉棒を子宮を押し上げるようにグリグリと擦り付けた。梨子の中が痛いほど俺のモノを締め付ける。
「……くっ、」
瞬間、熱い白濁が最奥で弾けた。
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