第5話 穴2
「あっ、そうだ。
俺が先ほど穴越しに少し話した人物の名前を口にしたと同時くらいだった。
ピンポン。
俺の部屋のインターホンが鳴った。
俺は壁の穴は置いておくことにして玄関へと向かい。外を確認してからドアを開けた。もちろんドアの外には先ほど穴越しで、ちょっとだけ話した女子生徒。上野うみが立っていたのでドアを開ける。
「あっ……やっぱり同じクラスの――神戸君?だったよね?あってる……?。よね?」
俺がドアを開けると、どうやら向こうも俺の事を一応認識していたらしく。不安そうにそんなことを言っていた。ってクラスが一緒になって半年以上だからな。一応名前は覚えられていてちょっと安心した俺だった。っか俺も思い出せててよかった。
いや同じクラスになってもな。話さない奴とかだと顔と名前がね一致しないというか。とりあえず今だ。
「ああ、あってる。って、そっちは確か上野……だよな?あまり話したことが無いから怪しんだが……えっと、今年から同じクラスの」
「そうそう。確かに話す機会はあまりなかったね。ちゃんと話すの初めてかも」
現在俺の前にはこの髪型なんて言うんだっけ?確か……ボブカット?ショートヘア?まあそんな感じでちょっとフワッとした感じの髪型で、スタイルもすらっとしていて、あれだ新居が美人なら上野は美少女とかになるんだろうな。めっちゃかわいい。というのはダメなのかもしれないが。でも普通にかわいい。という言葉が似合う女子生徒が俺の前に立っていた。見た感じ幼く見えるかもしれない。
そんな美少女様と俺とは今までほとんど接点がなかったため。こうして話すのは今上野も言ったが初めてかもしれない。
美少女様ということはなんやかんやと、噂は耳に入って来るといいうか。なんか情報通の身体が丸々とした奴から聞いたことあるんだが。あまり気にしてなかったからな。今話すまで完全に忘れていたよ。
確か俺の聞いた話は……まあ基本1人というか。この情報はいいか。本人を前に言う事じゃないな。
とりあえず女子生徒。上野うみが今。俺の目の前に立っている。
普段というか。クラス。学校でしか見たことがほとんど無かったので……制服姿とかしか見たことが無かったためか。私服姿というレア光景を見ているのだが。って、学校が休みだから普通か。っかどこかに行っていたのか。ちょっとおしゃれをしている感じに見えた。なんかパーティー?というか。
あっ、そうか今日クリスマスだもんな。誰かの家のクリスマス会とかに行っていたのかもしれない。
ってか、それなら丸々としてるやつからの情報偽の可能性あるじゃん。ちゃんと楽しんでいるじゃん。とかまあいろいろ俺が思っていると。
「……」
「……」
沈黙に気が付いた。いや、この後何を俺たちは話したらいいのだろうか。
ちょっとシンキングタイムが必要か?ってか、壱岐稲荷の沈黙はつらいので、ちょっと今目の前に居る上野の事で俺が知っている情報をプラスしておこうか。えっ?話せって?話すことが思いつかないんだよ。だから勝手に思うっていう時間だ。
えっと、上野は成績優秀な生徒なので……まあ1年、2年とクラスは違ったがそれでも試験結果の発表とかの時に名前は聞いた。見た気がする。新居が負けたや勝ったとかでなんか上野の名前はチラチラ聞いたような――。
そうそう新居で思い出した。確か上野もスポーツが得意らしく。最近行われたスポーツ大会でたまたま同じ競技に俺も居たのだが……普通に上手いという。いろいろ思い出してきたよ。
とまあ上野も万能なお方だな。あれだ。新居ほどではないが。その新居の次にすごいやつ。でもたまに逆転するというか。互角か。だな互角と見ておこう。違うことと言えば……これは丸々とした奴からの情報なのだが。
ちょっとした噂では、女子のグループというのかそういうのがやっぱりクラス。学年?でもあるみたいなのだが。って、男子もなんかグループみたいな感じになっているところはあるか。運動をしている人はそのグループで良く集まっている感じだな。俺には関係ないことだが。
でだ。俺の事より。目の前の上野の事を言うと。
なんか上野もどこにも入らないというか。仲間外れとかではないが……そういうのは距離を置いているらしく。一部生徒からはあまりよく思われてないとか。でもそれは一部生徒のみだからな。ほとんどの生徒からは評判がいいかと。静かでなんでもできる美少女さんとか。思われてそう。とか俺がいろいろ思いつつ。って俺が知っている情報が正しいとは限らないので。本人が目の前に居るのなら聞くべきだよな。よし話すこと見つけた。
ってことで、沈黙の時間がなんか嫌でいろいろ勝手に思っていた俺だが。上野に話しかけることとした。って、この沈黙の時間どれくらいあったんだろうな?全くわからん。っか上野も話しかけてこなかったし。
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