第3話 クリスマスの夜の出来事2

 よし。なんかいろいろ思い出したりしていたら、ちょうど今話に出てきた自分の部屋へと帰ってきた。


 ちなみに俺の入っている第1棟の寮は18部屋と他の建物からみると部屋数が少ない。他の寮はもう少し部屋があるらしいからな。

 何故かというとこの建物はもともと島にあったアパート?を変えたらしく。ちょっと学生には不人気な寮なんだよな。他はもっと大きくて部屋の中ももっと今風で綺麗なんだろうが。

 ここは何とかリフォームした?というか。まあなんか昔からある感じの懐かしいアパート感というのか。古い感じがところどころにある。ちょっと壁が薄いのか声とか音が響くこともあるしな。でも丸聞こえではない。大声を出さない限り――だな。


 でも俺はあえてここにしたんだがな。


 理由は1番隅っこの部屋が空いていて。さらに不人気の建物で周りに人が少なく基本静かなところだったから。


 この第1棟の寮は立地の関係から2階へ上る階段は201号室の前にしかない。なので隅っこはちょっと階段までが遠くて下へと降りるのが不便なのだが。

 でも降り口が無いということは同じ階の人でも俺の部屋の方には来ることが無いので、端っこには俺しか来ないため静か。なので個人的にはこの部屋が好きなんだよ。


 ちなみに入学時に寮の場所は自由に選べたのだが。第1棟はホント不人気だったから俺が希望を出したらすぐに入れた。多分今でもすべては埋まってなかったような。俺の隣の部屋もずっと空いてるし。1階も半分くらいしか入っている感じがないからな。

 2階なんて隣が空いていると言ったが。そのまた隣も空いている。さらにそのまた隣も空いている。と感じで、確か203号室?くらいまでしか使われてなかった気がする。


 ってか、なんやかんや言っているが、俺にはそれの方がいいのだがね。静かで平和だし。人も来ないしね。まあ――うるさい友人が遊びに来るのはあるが。あの情報屋はうるさいからな。


 ちなみに部屋の引越しというか。部屋を変えることは可能だ。

 何度もは出来ないが。2年に1回だったかな?学校に申請したらOK。今のところまだ引っ越したというのはあまり聞かないがな。

 あとで詳しく話すことになると思うが。この学校高校大学一貫と言いつつ。今のところは高校3年生。俺達の学年までしか居ないため。そもそも2年以上住んでいる生徒がまだ少ないから。あと引っ越しが少ないのは、1人で荷物を運ばないとだからと思われる。面倒だからな。大きな荷物があったら。わざわざ運ぶとか大変だしな。


 あー、そうだそうだ。この学校は入学するのはまあ試験や面接といろいろあるのだが。入ってしまえばかなり自由な生活ができる学校である。言ったっけ?まあいいか。なんか島。学校紹介のビデオの感じがまだ残ってるんだよな。なんか同じようなことを少し前に話したからか。なんとなく頭に残っているというかね。


 とりあえずこの学校はいくつか決まりがあるんだが。それをちょっと話しておこうと思う。


 基本自由。以上である。


 ……えっ?雑すぎる?ならもう少し。って、ビデオ撮影の時もホントこんな感じだったんだがな。


 えっと、試験結果では留年がある。まあ当たり前だろう。

 そして島内ではどのような生活をしても良い。が、島内に出る場合は学校に申請が必須。休みの日に遊びに……とかでは許可はほぼほぼ下りない。

 ってかよっぽどのことがないと許可されない。アルバイトは島内のみ可能。と、まあ基本入学したら島から出れない。でも島の中なら自由に生活できる。

 卒業まで出れないが。島内でなんかいろいろ活発にやってくれという事だ。


 ちょっとでもこの島を元気にしたい上林町長のお考えだからな。いろいろ問題があるような気もするが――いいんだろう。小さな島だ。漏れなければ問題なしというやつだよ。多分な。っかうん。言い方を変えれば隔離か。


 ある親は子供を鍛えるため。

 またある親は7年間面倒見てくれ学校は素晴らしい。

 さらにある親はたまたま学校案内が目についたから子に内緒で勝手に書類を送った。

 やらやら。と、一部親からは何が何でもこの学校に入れたい親もいるとかいないとか。いろいろ事情があるんだな。そうそうもちろん自分の意思でやって来た生徒も大勢いるぞ?多分な。


 ちなみに俺はである。

 そう『さらにある親はたまたま学校案内が目についたから子に内緒で勝手に書類を送った』は俺の事である。

 そりゃいきなりこの学校の書類を送った。とか言われた時はな。いろいろあったが。今はまあいい親の選択だったのか。とか思っている。一応だがな。まあ勝手に送ったのを許したわけではない。


 あー、そうそう決まりの中で1番大切なこと。というのか。1つ大きな決まりがあったな。


 それは問題行動を起こした生徒は退学。即退学である。ということだな。ちなみに俺たちの学年も入学時には70人ほど居たのだが。今は60人か50人前後に俺たちの学年はなっていたかと思う。つまり退学者がそこそこいるということだ。


 風の噂で聞いた理由は。

 無断で島外に行って遊んできた。

 飲酒、喫煙をした。

 他の生徒の私物を盗んだ。


 などなど。まあ通常の学校というか。普通の学校でもなんらかの罰がありそうなことをすれば即退学。島へは二度と入れない。お金のことをちょっと触れておくと。いろいろ払ってあるのは一切戻らないとか。退学後各家庭でどのような揉め事が起きているかは……俺は知らない。


 とにかく、ルールを守れない生徒はすぐに島から出てもらう。退学してもらう。というのがわかりやすいか。


 多分学校作るにあたり島民の間でいろいろ揉めてこんな決まりもできたのだろう。と俺は勝手に思っている。


 あー、あと最近ではケンカやらやら揉め事を起こした。学校の備品を壊した。島内にあった看板?を壊したやらで1年生が早々に何人か退学になった。とか、えっと、陽菜ひなになんか聞いたような――あれ?新居にいから聞いたんだっけ……?誰からでもいいか。


 ホントちょっとなんかやらかすとすぐ退学になる学校でもあるということを言っておこう。


 ……なので部屋に帰ってきた俺が部屋の壁に穴が開いたりしていたら。


 寮は学校のもの。というか。学校が多分管理してるんだよな?だから学校のものを壊したやらやらで即退学に。という可能性もある。


 だから。


 ◆


「……なんだよ。これ?」


 ここからが今の俺だ。

 自分の部屋に先程帰ってきた俺は目を疑った。

 1人暮らしなので帰って来た時は部屋が真っ暗だったので、電気をいつものように付けて室内へと入ったら――である。

 なんか。床に散らばっている……?破片?というのから始まり。


 さらに破片が散らばっている床から視線をあげると――ちょうど破片が散らばっていたところの部屋の壁に穴が開いていたのだった。だからなんで穴空いてるんだよ!

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