第7話




でも、それが嫌だとは思わなかった。


そうであるべきだと素直に思った。


「きみは?」


向日葵さんが僕に話題を振る。


「…青野です」


「それは名字でしょ。名前だよ、なまえ!」


ぷくっと頰を膨らませる向日葵さん。


こういうところ、僕より年上なくせに本当に子供っぽいなと思ってしまう。


さっきの言葉だって、まるで彼女が全部平仮名で喋っているかのように聞こえてしまう。


「雪斗。雪に北斗七星の斗で雪斗」


「ふーん。雪斗くんかあ。覚えとくね、私ここの大学通ってるから今度会えたらいいね」






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る