第4話






「見えない?」


「え?」


「大学生に見えない?」


僕の考えていることをぴたりと当てた彼女。


「…」


「別に遠慮しなくていいよ。それが私の強みでもあるし」


彼女はそれから初めて僕から目を逸らした。

それが果たしてどういう意味なのかは、僕には分からなかった。


しばらく沈黙が続いたが、気づくと彼女は隣で僕と同じように寝そべっていた。


しばらくすると、彼女がぽつりと呟いた。


「…でも、わかるよ。高校生ってたまにこうしたくなるときあるよね。逃げ出したい、とか。


ちょっと離れてみたい、とか」


私もそんなときあったなあと、ふわりと笑みを浮かべる彼女。


本当に変わった人だ。さぼりを注意するのかと思えば、一緒に寝転んでくるなんて。





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