第48話
こうした、普通なら、又は今の時代なら恐らくは起こりえないだろう事柄が何度もアン ジェリンを襲った。全て事実だ。そしてまだ全てを書き尽くしていない。 朝岡に関しては更に酷く、彼はドリーに頼んで療の部屋に入れてもらい、アンジェリン側に勝手に入り凄い迷惑行為をした事があった。それはこの実際にあった話を書きながら、最初は直ぐには思い出されなかった。 余りにも彼の執拗さと暴力的な、幼稚で自分勝手な数々の行為にそれが忘れ去られていたのは驚きだ。 朝岡はドリーに頼んで部屋に数回入れてもらい、アンジェリンがいる時には彼女を無理矢理に連れ出そうとした。食堂に夕飯を食べに行く、三人で食事をしに行くと決めて、それをドリーも喜んで同意して二人で無理やりに彼女を連れ出そうとした。 アンジェリンが部屋から逃げ出そうとすると朝岡はドリーにドアの前に立ち塞がって出さない様にしろと命令して、彼女は嬉しそうに従った。 なのでアンジェリンは急きょバスルームに 飛び込み、中から鍵をかけて絶対に開けず、朝岡は渋々部屋から立ち去った。 アンジェリンがいない時は彼女の机に付いている大きな引き出しの中を細々と調べ、二番目の引き出しに入っている下着を全て出した。それらのブラジャーとパンツを全て一枚一枚広げてベッドの上に並べてから、また たたみ直して元の引き出しの中へと戻した。 スーツケースの中も全て調べて、そこにあったハンドバッグの中身を見た。 中には手帳が入っており、後ろの方のページ数枚は住所録だったのでそこもしっかりと 見た。 そして何人かの男の名前が書いてあると、 ドリーにペンを借りて紙もノートから一枚破ったのをもらうとその名前を写し取った。 それらは全てアンジェリンの親戚の男達の 名前だった。そしてアンジェリンの勉強しているTOEFLの教材を、預かると言って持ち帰った。 アンジェリンがいない時にしたこれらの行為に付いてドリーは彼女に報告した。恵梨香の部屋から戻って来て、TOEFL用の教科書が無いので慌てながら探している時に教えたのだが、それは朝岡に頼まれたのでペンを貸してたり与えた紙に手帳から名前を写し出した事で、自分が喜んで協力したと思われたくなかったからだ。 実際ドリーはそんな事をしたくなかったらしい。以前の事もあり、流石にまずいと思ったのだろう?! 他人の部屋に勝手似に入り色々と物色したり、ましてや手帳の中味を読んだりそれを 写したりするなどはとんでもない犯罪行為だ。元警察官なら分からない筈がないだろうが、この男の考えは違ったのだ。 自分が元警官なのでそうした事をしても良いし、当然だという勝手な思い込みがあったのだろう。恐らく彼は本当に頭がいかれていたのだ…。そして何より、自分をとても過大評価していたのではないか? 居達さんが皆の前で彼を怒鳴り飛ばした時には、実際にはこの出来事についても厳しく 注意をしたし、彼が部屋の中を物色したり 下着を並べたり、TOEFLを受ける為の教科書を勉強ができない様にと持ち去ったり、手帳をバックから出して中味を全て見たり写し出したりした事柄には皆は更に驚愕した。 しかも朝岡がその写し出した何人かの親戚の名前を暗記して、アンジェリンの部屋の廻りに隠れていてから彼女を捕まえてそれらが誰かを無理矢理に聞き出し、それを何度も何度も繰り返し聞いた事もだ。 更にはこの大学の生徒や従業員に対しても誰が知り合いか、友達は何人いるのか、どの 部屋に住んでいるのか、男ど女が何人いるのか、見た目はどんなで年は幾つだ、皆アメリカ人なのかとかどこの何人だとか何系だとかをしつこく聞いた事もだ。そして次には、彼女の部屋の近くに止めた車に無理矢理に乗せて何処かへ連れ去ろうとした事にもだ。 それを必死に抵抗しながら泣きさけぶアン ジェりリンを周りの学生達が見て驚き、たまたま何処かから戻って来た彼女の知り合いの男の学生達が彼女の腕を二人がかりで引っ 張り助けてくれた事、それで朝岡がついに 諦めてアンジェリンの腕を放すと急いで車に飛び乗り、逃げ去った事にもだ。 朝岡は異常者だから恐らく何かの理由で警察をくびになったのだろうし、そう話す者達もいた。
アンジェリンの物語2(嫉妬に狂った浪花のpunk=チンピラ、の蛆虫野郎!!編) Cecile @3691007
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