第45話

居達さんがその娘、アンジェリンにはやっと名前が分かったが、典子と言う娘は大阪から 両親が迎えに来た。こうした問題児の、いつもの帰らされるパターンだった。              典子の親は日本から呼ばれて来ると、居達 さんが予約したロサンゼルスのホテルに  チェックインする。彼は英語が出来ない親達を空港へ迎えに行き、ホテルへ連れて行く。                  その日は一日休ませる。長旅だし、時差が あるからだ。               そして次の日当たりに子供に会わせて、親子の対面だ。そして帰る日を決めて、居達さんが電話で航空会社へ連絡して空きがあるかどうかなどを聞き、最終的に日付が決まる。 生徒達は往復のオープンチケットで渡米しているのでKBS卒業後は各自自由に帰る日をその範囲内で決められたし、生徒の両親も居達さんの指示で、恐らくは同じ航空会社のオープンチケットで迎えに来たのだろう。             それで、普段は彼と生徒とその両親だけなのだが、典子の件の時には仲間の二人にも後から同席させた。                 何故なら典子は部屋へ来る両親に分からない様にと、手錠を二人に預けた。二人共物凄く嫌がったが、強引に預けた。           なので少しすると、典子の部屋をノックして、二人が入って来た。片方の手には手錠が握られていた。             典子はそれを見ると酷く慌てた。  

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