第43話
彼はアンジェリンの脚は嫌だが、彼女の事は気に入っていた。 あれだけ怒ったのも、脚の事を知ったからなのと、その脚のせいでモデルにさせる計画がパーになったからだ。 だが至って女好きな男だった為に、完全には諦めきれなかった。だから愛人になれと言った。 そうしたら面倒をずっと見て、大学も出してやる。日本と違い、卒業するのが難しいアメリカの大学を自分が手伝って、取りやすい 単位だとかを色々とアドバイスしたりして、出してやると。そして彼女がアメリカにそのまま住み続けるられる様に、あの飲食店の アイディアも繰り返し話した。 彼は又何度も、女は男を利用しろと言った。この世は男社会だ。だから女の努力だけでは限界がある。なので皆利口な女は男を利用してのし上がる、幸せを掴む。そうやって世の中を渡る。そうして富を掴んだり、頂点へと上っていった有名な女達が沢山いる。 一流女優や歴史上の偉人の女達は、自力だけで頑張れたとか這い上がった訳ではなく、 必ず男の力を利用したと。だがそれはどんな女にでも出来る訳ではない。賢いとか美しい、賢く美しい女なら尚更だが、そうした女達だ。 そうでなければ無理だ。男が相手にしないし、手伝わない。だかそうした女なら、男は手助けをしたいと思うしそれをいとわないと。 アンジェリンなら、別に賢くはないし普通だ。だが、その顔がある。顔と、若さだ。 だから男を利用しろと。そして、自分を利用しろと。 お前の母親は、それだけはお前に教えなかった。恐らくは自分もそれを知らなかったのだろう、ずっと独りでお前を育ててきたのだから。 居達さんはそうした事を真剣に話した。彼はその時はもう怒り顔ではなかった。 アンジェリンは正直少し心が揺れた。どうしよう?自力でアメリカに取り付けるかと不安に思った。 居場達さんは、もうこれで最後だがもう一度言うと言い、自分の愛人になれと言った。 このまま断って車から降りたら、もう二度と言わないからどうするか今直ぐに決めろ、 返事をしろと迫った。
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