第14話
居達さんは朝岡が元警察官だから、そんな羽交い締めをしたのは彼だと直ぐに思ったのだろうか?それとも朝岡がアンジェリンを見る目付きを見た事があるのか、彼がアンジェリンに興味があるのだとかを聞いたのか?だから分かったのか?朝岡がしたのだ分かった時にそこまでは驚かなかった。そしてその朝岡はドリーとも同じクラスだ。 居達さんはそうした細かい事にかなりは気付くタイプの男だった。だからKBSでのこの役を担ったのもしれない。英語力だけなら、無理だったかもしれない…。 居達さんは先ずはドリーを問い詰める為に彼女を探した。 彼女はカフェテリアに入って来た所を、一通り探しに行って戻って来た居達さんに見つかり、さっきアンジェリンが連れて行かれた同じ場所へと連れて行かれた。そして詰問された。 ドリーは最初は嘘を色々と言った。 ディズニーランドヘはアンジェリンと二人で行こうとして、偶然朝岡と食堂で会ったので彼も行く事になったと。だがアンジェリンは二人だけでないと嫌だった様で急に嫌がり 始めたので、せっかくだから行こうと急か した。 そして腕を組んで朝岡の車へと促したら騒ぎ始めた。勿論自分も朝岡も無理強いをしたり、強制的に力強くで何かをしてはいないし、暴力などは奮っていないと。 だが居達さんは、もう全ては分かっているから嘘をつくなと叱りつけた。 ドリーは焦った。 ドリーは次に、朝岡がアンジェリンを好きだから付き合いたいのを知っていたから協力しただけだと言った。彼女も朝岡と付き合った方が色々と良いと判断したので、だからしたと。それはアンジェリンの為だからと 何度も強調した。 居達さんは、何がアンジェリンの為なのかと凄んだ。そして大笑いした。 ドリーは答えた。 朝岡はアンジェリンをとても気に入っている。だから彼と付き合えばアンジェリンには彼氏ができて、初めて"デート“ができる。恋人ができる。だから幸せになると。何故なら朝岡は見た目も悪くないし年も25歳だ。元警察官だから真面目で頼りがいがある。だからそうした男と付き合えば、ハクやその二人の手下も彼女を虐められない。だから彼女にとっても丁度良いと。 だから自分は朝岡を手伝い、彼女とつき合わせようとした。それは彼女の為だからと。 だから自分は彼女の為にもしてやったのだから、何も悪い事はしていないと言った。 居達さんが腹立たしげに言った。 「何がアンジェリンの為なんだよ?お前の為だろう?!」 「違う!何で私の為なの?!私はアンジェリンの為だと思ったから、だからやったの! アンジェリンだって彼氏がいた方が良いだろうし、あんなに純情で、男と話した事がろくに無い様なら、手伝ってあげた方が良いと思ったから!だからやったの。」 居達さんがピリピリした顔付きで図々しく 弁解するドリーを睨みつけた。 「だから騙して連れ出したのか?本人に何も知らせずに朝岡と示し合わせて。何で初めから本人に教えないんだよ?!何で朝岡も来るって最初から言わなかったんだよ?!何で 二人だけで行くなんて嘘ついたんだよ?!」「だからそれは…、そうしないとアンジェ リンは出て来ないから。部屋でTOEFLの勉強をするなんて言って、行かないと思ったから。」 「じゃあお前知ってたんだよな?朝岡がいたらアンジェリンが嫌がって行かないのが。最初から分かっててやったんだよな?」 「だから、そうしないとアンジェリンは行かないから!!」 「何でアンジェリンが嫌なのに行かなきゃならないんだよ?!言ってみろよ!」 「だから、アンジェリンだって彼氏はほしいだろうし。だったら朝岡さんは丁度良いと思うから。」 「お前、何さっきから勝手な事言ってんだよ?!アンジェリンが頼んたのか?お前に男を斡旋する様に頼んだのか?!彼氏を作りたいから手伝えって頼んだのかよ?!部屋で勉強してたらいけないのかよ?!違うだろう?!お前が勝手にやりたいからやったんだろう?!」 「だからそれは!!」 「アンジェリンの為だって言いたいのかよ?!朝岡の為だろ?違うのかよ?!それでそれは全部、お前の為だろ!!朝岡にアン ジェリンと付き合わせれば、あいつに感謝されるからだろ?そうしたらあいつに恩を売ったんで、あいつはお前に感謝する。良くする。何かあればお前を助けて、お前の味方になる。だからあいつを自由に使える、そう 思ったから手伝ったんだろう?」 「違うよ、そんな事考えてないから!」 「じゃあ何でそんなにしつこくしたんだよ?しつこくディズニーランドに行こうって、凄かったらしいなぁ、お前。それでもう余りしつこいから、仕方無いから行く気になったって言ってたよ。ディズニーランドなんてその前にも何度も行ってるから大して行きたくなかったけど、ドリーがどうしてもって誘うから、じゃあいいや、仕方ないから付き合おって思ったって言ってたぞ!」 「だって勉強ばかりしてるのは良くないからって思ったから!」 「おいお前、何聞いてんだよ?!何度も行ったんだから、勉強ばかりしてないから行けたんだろう?違うのか?」 「だから…。」 「お前、あいつが朝岡を嫌がってるのを知ってたんだろ?朝岡から聞いたんだろ?詳しくは言わなくても、食堂で断られたのを聞いてんだろ?でなきゃ何であいつに朝岡が来るのを隠してたんだよ?他の奴だったら、あいつは多分行ったぞ。お前は前にあいつと仁平と三人で、ディズニーランドヘ行ったんだろ?だったらあいつは男とだって行くし、嫌じゃないって事だろ?なら何で朝岡が行くのを黙ってたんだよ?朝岡がいたらあいつが絶対に来ないのが分かってたからだろ?お前、本当にいい加減にしろよ〜?!」 「違うってばー!!」 「何が違うんだよ?!お前、朝岡にあいつの事を色々と聞かれたんだろ?でなきゃ頼まれたんだろ、アンジェリンとの仲を取り持ってくれって?!」 「だから…、あの二人なら似合うと思うし。」 「何が似合うだよ?!朝岡はあいつに付き合えと言って、断られたら腕を掴んで放さないで、断る理由を言えと迫ったんだよ!言わなきゃ放さないと言って!仕方ないから言ったら、言った中身に怒って凄い力で腕を締め付けたんだよ!涙が出る程強くな。だから、お前等が騙して食堂に連れて行ってから、あいつが嫌だから戻ろうとしたらfお前がしがみついて離さなかったんだろ?無理に朝岡の車に引きずって行って乗せようとしたから、突き飛ばされたんだろ?その後どうした?!朝岡はアンジェリンに飛びかかって押し倒してから、お前の所に引きずって行ったんだよな?お前に謝る様に迫って、嫌がると何度も腕を締め上げたんだよな?!謝るまで絶対に放さないと言って?!そんな奴と、何が似合うんだよ?どこが似合うんだよ?!」 「そんな事してないから!!」 「何がしてないんだよー?!」 「私は車に引っばって行くなんて、無理に 乗せようなんてしてないから!朝岡さんだってそんな暴力してないから!!」 「馬鹿野郎!!さっきからいい加減にしろ!!」 居達さんが怒真っ赤になって鳴った。 「お前らのやった事は犯罪だ!立派な犯罪なんだよ!」 「違う!!そんな事してない!!」 ドリーが叫んだ。 「じゃあ何で見た奴がいるんだよ?!」 ドリーの顔が引きつった。 「いたよなぁ、見た奴が?警察を呼ぶかって、心配した奴がー。」 「居達さん?!」 「お前等がしてた事を見て、アンジェリンに声をかけた奴が。だけどお前が必死で何でもないって騒ぐから、その時は引っ込んでしまったって言って凄く後悔してたよ。」 「…。」 「お前、したんだろう?」 「そんなの…、アンジェリン何ともなかったでしょう?」 そう突っぱねながらもドリーの心中は穏やかではなかった。 「お前、じゃあ警察へ行くか?お前等のやった事は誘拐拉致未遂だからな。警察に言えばお前は連れて行かれるよ。そして刑務所に入れられるよ。犯罪を犯したんだからな!こっちは凄く厳しいぞ。日本なんかよりもな。必ずお前は犯罪者になって、服役する事になるよ。断言するよ。」 「あ〜っ?!」 ドリーが声にならない声を上げだ。そして ついに我慢ができずに目から涙が溢れ出た。そしてボロボロと涙を流し出した。 「何だよ、お前何泣いてんだよ?」 「嫌だ、そんなの!!居達さん?!」 「何が嫌なんだよ?」 「そんな所、行きたくない!!」 「仕方ないだろう?お前がやったんだから。しかもお前は認めないし。だから警察でしっかりと取り調べなきゃ駄目だろう?」 「嫌だ、居達さん、お願い?!ごめんなさい?!」 「何だよ、安心しろよ?お前だけじゃないから。一人じゃないよ。朝岡もいるから、良いだろ?」 「居達さん?!お願い!!止めて?!」 「だって仕方無いだろう?」 「ごめんなさい、ごめんなさい!!もうしないから〜。」 ドリーは真っ赤な目で居達さんに懇願した。居達は二度と同じ様な事をしない様にしっかりと釘を刺した。それから、ドリーの親にもこの事は伝えると言った。電話をかけると。 ドリーは止めてくれと又懇願したが、居達さんは駄目だと強く言った。そうしてやっと彼女を開放した。 アンジェリンはカフェテリアにその時いたから、ドリーの泣きながらカフェテリアを出て行く姿を確認した。 居達さんはアンジェリンを見ると近寄って来て、ドリーをきつく叱ったと言った。だからドリーはもう二度と朝岡には協力しないからと伝えた。朝岡でなくても、相手が違ったとしてももう大丈夫だろうと。 そして出て行った。 アンジェリンには彼が朝岡も叱るのは分かっていた。そして彼女はもう二度とドリーを本当には信じるのは止めようと思った。朝岡とは二度と口をきかないし、絶対に関わりにはならないと強く決心した。あんなに単純で、恐ろしい男はいないと思った。
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