第9話
カフェテリアに入って来たのは聖子と言う Cクラスの子だった。そして、その情景を 見て驚愕した…。 What the hell?! , that's what she thought!そしてアンジェリンの近くへ駆寄ろうとしたのだが、ハクが急いで彼女へ駆け寄った。「聖子ちゃ~ん?!」 そう優しく大きな声で言いながら。そうやって肩を抱くと無理矢理に、アンジェリンの側に近付かない様にと引っ張って行く。 「一寸何してるの?!止めてよ!!ねー、 アンジェリン、大丈夫?!大丈夫なの〜?!」 聖子は必死になってハクを振りほどこうと するが、ハクは力づくで無理矢理に聖子を カフェテリアから引っばって連れ出した。 声と言葉だけは優しくしながらも、無理強いして引っ張りながら。 こうした時に、男は勝手だ。力に物を言わせる。勿論全ての男ではないが。そしてこんな事がフィクションでは無く、事実あったのだから!! 実はこの学校、国際ビジネススクール(KBS←仮名)のこの学校は事実上一年で 無くなっている。ビジネススクールと言っても只英語を現地で、現地の教師を雇いながら教えるだけの学校だったのだが。そしてそれは居達さんがもうこんな仕事はできない、したくないと言って一年で退職した為だ。 彼はこんな面倒な仕事は合わないと思ったのだ。そしてそれにはハクとその手下2名、特にハクが大きく関係していた。 そして当時は今と違い、帰国子女が沢山いるなどでは無かった。だから居達さんがその 世話役の仕事を辞退したら、中々次の候補が見つからなかった。 話は戻って、聖子は無理矢理にハクから食堂の外に追い払われた。上手い事を適当に言われて無理矢理に追い返すと、ハクは一人で 戻って来た。 そして手下の五味川と加須山を促すとアン ジェリンには見向きもせずにモーテルへと 戻って行った。二人はアンジェリンを気に しながらも、丸で犬が主人に従う様にして 付いて行った。 アンジェリンはしばらくは身体が痛くて起き上がれずにそこに寝ていた。目から涙が出て来た。だがやっと何とか起き上がった。 居達さんへ電話をかけようかと思った。だが止めて、痛い体を我慢しながら寮へ歩いて 戻った。まずは早く帰って横になりたかっ た。 居達さんには電話をかけなかったが、本当はすぐにすれば良かったのだ。彼の自宅か、彼のオフィスにいる彼の秘書で、アメリカ人の女性のジャスティーンに全て言えば良かったのだ。 だが告げ口をしたり他人に泣き付く事を頑なに駄目だと愚かな母と祖母に、特に普段家にいた祖母にそうした躾をされて洗脳されていた為に、まだうんと若いアンジェリンは黙っていた。 結局その少し後のある時に、聖子が居達さんへ言うまではこの件は発覚しなかった。 この聖子も直ぐには言わなかったのだ。悪い娘ではなく、北関東出身の割と可愛い子だった。 だが自分よりも顔が可愛いアンジェリンに 嫉妬をしていて、それをアンジェリンを馬鹿にして下に見る事で均整を保っていた。アンジェリンは顔が良くても混血で、純血の日本人ではない。だから日本人の顔ではない。自分はそうだ。だからそれを切り札として、更に馬鹿にする要素にした。 後にそうした事柄を居達さんが話すのをアンジェリンは聞いた。 そして聖子は他の人間ヘも直ぐに馬鹿にしたり面白がったりする、我がままな性格だった。甘やかされて育った人間によくある傾向だ。 だからアンジェリンとはヤキモチで口を聞くのを嫌がり、口を聞けば何でもない受け応えに馬鹿にした返事を必ずされていたアンジェリンも、何度目かには不愉快だから絶対に自分からは口を聞くのを止めていた相手だった。ある意味ハクとは違う意味での、女としての嫉妬だった。 居達さんは後から彼女にそれを皆の目前で ハッキリと指摘した上で、馬鹿にして見せしめにした程だった。その時に聖子は顔を真っ赤にしながら泣き喚いて騒いで、恥ずかしい思いをした。そして居達さんはその時に、普段自分が他人にしている事を自分がされたらどうだ、どんな気分た?、と何度も聞いた。こうして、英語で言うteach a lesson を彼女ヘした。 皆、まだこうして中身が子供な連中ばかりがこの学校には多くいた。 だからこの学校は一年で無くなったが、それで良かったのだろう…。現地に若い日本人の社員が一人だけ、もう一人は日本語の丸で できない、彼と年の近い秘書の女性だけだ。他のそれぞれの教師達も、一人がイギリス人で後は皆がアメリカ人だった。そして彼等は秘書のジャスティーン同様に英語しかできなかったのだから!! だから居達さん一人で何十人もの面倒を見るなんて事は事実上不可能か、不可能に近かった。そして自然と彼一人が実権を握る事にもなったが、彼も疲れていた。 アンジェリンは次の日には痛い身体を我慢してクラスへ出た。そしてカフェテリアには 夕食時以外は近付かない様にしていた。気狂いのハクとそれに媚び諂う下僕二人に会って、又暴力を振るわれたら本当に身体がおかしくなってしまう。入院でもする事になれば大変だ!! そして彼等は自分がクラスの後によくカフェテリアに行って休憩したり、TOEFLの為の勉強をしたりするのを知っていて、いつもでなくても待ち伏せをしているらしいとも感じたからだ。 そう感じてもおかしくない程の異常さと不気味さを、特にハクはアンジェリンにだけは 与えていたのだから。 続.
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