第38話


 フード付きの深く昏いロープを着込み、奇妙な装飾の施された

 杖を持った『戦徒サーヴァント』の周囲には、いつの間にか呼び出した

 スケルトン6体の存在があった


『動きが速い魔物から叩きます!』

 凛とした声で発したのは、白い狐面で貌を覆い、闇に溶け込みやすくするため

 黒ずくめに工夫された忍び装束を着込む『戦徒サーヴァント』だ

 手に持つ忍者刀を構えて体勢を立て直す

 3匹の魔獣がじりじりと忍者刀を構える『戦徒サーヴァント』に接近をした


 魔獣が今にも飛びかかろうとした寸前、忍者刀を構える

戦徒サーヴァント』は霧のように、まるで空気に溶けた様に消えた

 霧のように、まるで空気に溶けた様に消えた

 だが、眼の前で空気に溶けて消えたと思えば次の瞬間には姿を現し、数メートルを

 超える巨体を誇る魔獣の胴体を深く斬り裂いていた

 それは信じられない光景だ

 何が起こったのか理解できないまま、1秒にも満たない時間で絶命した魔獣は、

 呻き声すら発せず地響きを立てて地面へと崩れ落ちた



 群れの一匹が攻撃を受けた事で、2匹の魔獣も反撃を開始した

 それはまるで、狼の群れが草食動物を狩る様な陣形だ

 だが、繰り出される爪の一撃は強力無比だ

 接近しての牙にも警戒が必要だ

 強力な顎から繰り出される噛み付きは、易々と防具ごと骨を砕く

 2匹の魔獣による速くて重い爪の連撃が忍者刀を構える

戦徒サーヴァント』を襲うが、姿を霧散させて躱した

 2匹は怒り狂って追撃するが、しかし姿を霧散させて躱される



 戸惑い隙を作った2匹の魔獣が、忍者刀を構える『戦徒サーヴァント』の

 気配に気づいた時にはすでに遅かった

 高速体術で跳躍した忍者刀を構える『戦徒サーヴァント』は、標的にした

 魔獣の頭上よりも高い位置から、忍者刀を全力で振り下ろす

 綺麗に体重の乗った忍者刀の一撃は、魔獣の頭部を正確に克ち割った

 声も無く倒れ伏した巨体は、地響きを立てながら横倒しに崩れ落ちた

 その光景を見た最後の魔獣は、本能で察したのか背を向けて逃げ出そうとした



 同時に、『戦徒サーヴァント』は最後の魔獣

 目掛けて疾走した

 最後の魔獣の下を潜り抜けつつ、四肢と腹部を連続で斬り裂く

 そしてそのまま通り過ぎ様に背後から心臓部へ忍者刀を突き刺した

 断末魔の叫び声と共に倒れ込む魔獣だが、忍者刀を構える『戦徒サーヴァント』は容赦なく、現状を認識させる暇を与えずに止めを刺す

戦徒サーヴァント』は、周囲に敵影が無い事を確認すると忍者刀

 にこびり付いた血を振り払い鞘に収め、警戒しながら周囲の状況確認を始めた


「・・・経験値実戦を積ませれば

 思っていたより以上の働きをする・・・さすが英霊『戦徒サーヴァント』だ」

 レヴェナントは、あっさりと魔獣を倒した光景を見て呻く様に呟く


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る