第37話

『――――油断はしない方がいいにゃよ』

 黒猫が喋るのと同時に、鋭い緊張感が空間を支配した

 吹き出す冷汗を拭っていたレヴェナントは、舌打ちをして身構えた

『我が主! 新手です』

 少し掠れた声が警告を発した

戦徒サーヴァント』の誰かが発した声だ

 ぎじっ・・と音を立てて電流が周囲に疾ったかと思う間もなく、一気に張り詰めた

 緊張が周囲を支配した



「―――これが『超高難易度インフェルノ』から導入された・・・?」

 レヴェナントが貌を顰めつつ、黒猫に尋ねた

『そう『湧きリスポーン』にゃね』

 黒猫がそんなことを喋る

何かがいる

それも


湧きリスポーン』は、『超高難易度インフェルノ』より

 新たにされた一つだ

超高難易度インフェルノ』よりの世界でも、

 屍肉の臭いを嗅ぎ取り突如出現した魔物は存在していた

 確率は低かったのだが、『超高難易度インフェルノ』では死体の数が

 多くなればなるほど出現と数の確率が増加するが、出現する種類は

 まったく予想できないランダムエンカウント



 レヴェナントが一定の場所に視線を向けると、そこでの何かが

 具現化をはじめた

 それと共に急激な冷え込みを全身で感じた

 現れたそれは―――



 口元には口外まで伸びた牙が並んでいるのが特徴で、鱗や外殻はなく強靭な

 筋肉に覆われた魔獣だ

 発達した四肢には、武器でもある鋭い爪がそれぞれ10本生えているのが確認できた

 爪は上下2段に分かれた特殊な構になっている様だ

 地獄の底から響くような唸り声を発したのが3匹もいた


 だが、現れたのはそれだけではなかった

 もう一つは、醜悪な貌で太い二本の牙を剥き出し、青白い膚をした4メートル

 ほどの巨人が2匹も存在した


「―――マジか!?」

 レヴェナントは出現した魔物の姿を見て、慄く様に叫んだ

『何ともはや・・・運がいいというべきか悪いというべきかにゃ』

 黒猫が喋る

「 『上位種』系のオーガ2匹と、『 変異種』系の・・・

 あれはどう見ても、俺のいた『世界』で発売していたハンティングアクションゲームカプコン  モンスターハンターシリーズを参考にしていたとしか

 思えない魔獣オドガロンが3匹・・・

 さんは弁護士を雇い訴訟された時の準備をした方がいいよ」

 レヴェナントが震えた声で言う

』にゃ

 そのゲーム企業とやらは、どうやって神様を訴えるのにゃ?』

 黒猫は若干呆れた様な声で喋る

『我が主!!

 爪による攻撃を受けると裂傷します!! ご注意を!!』

 レヴェナントがさらに何かを言おうとした時、再び少し掠れた声が警告を発した

 その声の主は、フード付きの深く昏いロープを着込み、奇妙な装飾の施された

 杖を持った『戦徒サーヴァント』だ





















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