第24話
『 受付嬢や同業者などから忠告とランクにあった依頼すら完全無視し、
無理無茶な高難度依頼を受け成功させること1,489回にゃ
そのたびに同業者からは妬み嫉み嫌味の嵐・・・。
『冒険者ギルドマスター』からは説教の嵐――――懲りないにゃね』
レヴェナントの頭の中で黒猫の言葉が響く
だが、それを尋ねようとしても今はできない状態だった
「・・・ですか」
レヴェナントは、ほんの一瞬だけ複雑な表情を若干浮かべつつ応えた
「依頼は、あちらに張り出されています
個人的にはどぶさらい、下水道のネズミ駆除で慣れていく事をお勧め
したいのですが・・・
昨今魔物の出没頻度が多く、村が襲われている、街道が塞がれてるなどの
緊急依頼がひっきりなしで」
受付嬢が呟く表情は、何とも言えない様な雰囲気が漂っている
「・・・」
レヴェナントは原因を知っているためか、何にも答えずに拝聴する
しかし、その表情は何か険しい
「では、これで登録は終わりです
今後の活躍をお祈りします」
受付嬢は、営業スマイルを浮かべつつ告げた
「――死なずに冒険者稼業を頑張りますか・・・それではお幸せに」
レヴェナントは頸から『青銅』の認識票をぶら下げつつ、受付を離れた
「?」
受付嬢は何か聞こえた様な気がしたが、次の応対があったため気にする
時間がなかった
ほっと一息をついたレヴェナントは、無数の依頼書が所狭しに
貼られている掲示板に向かった。
幸いにも掲示板の前には、冒険者の姿はなかった
『なぜあんな事を言ったにゃ?』
レヴェナントの頭の中で、黒猫の声が響く
「純粋にあの警備兵とここの受付嬢の幸せを祈っているだけさ
にゃんこさん」
レヴェナントは、響いてきた声にそう応える
『ある時は散々殺し合い、ある時は気のいい友人同士・・・
さて、レヴェナントはどっちが良かったにゃ?』
レヴェナントの頭の中で、黒猫の声が響く
「殺し合いするよりは、悩みを打ち明けられる気のいい友人が
良いに決まっているよ」
レヴェナントは、響いてきた声にそう応える
『それで
黒猫の声が響く
「『
依頼が沢山あるよ――――こんなに嬉しくない事ってあるんだ」
レヴェナントは、響いてきた声にそう応える
『357回も繰り返した、溝さらいに下水道ネズミ駆除という最底辺
依頼から手をつけるかにゃ?
ちな、それからだと358回目にゃよ』
黒猫の声が響く
「最底辺じゃないよ、底辺だよ
まあ、その意味もそれぐらいの回数を熟していたら理解できた」
レヴェナントは、響いてきた声にそう応える
英雄を夢見て冒険者となり、そのまま夢破れる者は掃いて捨てる程いれば、
いつまでも難易度低い採取依頼ばかり受けて、上を目指さない者もいる
イチかバチかで浮き上がる気すら無くした者達は、腐って堕ちていく
ただ、その『素材採集』を専門とする冒険者もいるが、火山地帯や雪山などの
危険区域内で採っているのは中堅の『銀』『金』級だ
『―――357回の中で、最底辺まで転げ落ちたのは4回にゃね』
黒猫の声が響く
「
レヴェナントは、響いてきた声にそう応える
『357回中、餓死と渇きで
凍死で
流行り病の罹患で
足引っ張る事しか考えていない最底辺の同業者に殺され
『冒険者ギルド』内の権力とカネを手に入れるため、ひたすら上を上を
目指す激烈な権力闘争に身を投じ、覇道の道を征くだけの人生の絶頂期に
信じられないほどの執念深さで、30年近くも復讐の機会を伺っていた
弱者の逆恨みで謀殺され
『冒険者ギルド特殊活動部』の『
数限りない修羅場を潜り抜けるが、大国と『冒険者ギルド』の秘密契約に
よって謀殺され
確かに限度というのがあるにゃね』
黒猫の声が響く
「飢えなきゃ強くは慣れないとも聞くけど、それにも限度というものがねぇ・・・
飢えるにしても、ただ生きてるだけでも冒険者稼業は続けられない
事もわかるけど・・・残飯を漁って飢えを凌ぐことはまだ底辺
その下の最底辺は口に入れるのは雑草や泥水で、飢えと渇きを凌ぐ
事しかできないとなれば、浮き上がっても行く先が牢屋か死刑台だとしても
悪に染まるさ」
レヴェナントは、響いてきた声にそう応える
そこに感情らしい表情はなく、ただ無表情だ
『餓死と渇きの
も雑草や泥水、残飯を漁ってまで飢えを凌いたくないからだったからにゃよ?』
黒猫の声が響く
「流行り病の罹患で
雑草や泥水、残飯の悪影響で
レヴェナントは、響いてきた声にそう応える
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