第14話





 黒猫とレヴェナントが街道を歩きつつ、レヴェナントだけは視線を地平線の彼方

 まで広がっているようにも見える平原に向けていた

 平原の海に所々、柵のようなものと木の建物が点在し畜産業を営んでいるのか

 あちこちで世話をしている人々の姿が見えた



 平原沿いの街道を歩くこと約四十分

 平原を眺め(警戒?)つつも歩き続けた、 黒猫とレヴェナントは、街を護っている

 堅牢な外壁に到着した

 外壁は石で作られ、高さ50mは楽に在り厚さ20mはある

 両端はその果てが全く見通せない程、延々と街を守るように伸び防壁にくっついた

 形で塔も建設されている

「幾らの長さだったけ?」

 レヴェナントが外壁をみつつ尋ねる

『ざっと3,200kmにゃ』

 黒猫が喋る

「そうそう、最初にそれを聞いた時、『さんは、俺の世界で

 有名漫画の『進撃の巨人』に登場する『ウォールマリア』でも参考にしたの?』って言ったんだっけ」

 レヴェナントが何かを思い出すように言う



 防壁の上には屈強な警備兵達の姿があった

 数百メートルごとに配置され時折周囲を見渡し、外部からの侵入を防ぐために

 据え置き式の大型弩砲も

 外壁に設けられた荘厳な門は、大型の馬車が十台横に並んでも通れるような

 立派な造りだ

 その横には警備兵の詰め所が設置されているが、この世界の都市には大抵

 こういった施設がある

 ただ街の中を移動するだけならば そこまで警戒する必要は無い

だが、外部からの人間と会う時は万全の状態でなければならない

そして魔物からの脅威を防ぐ事もだ




 門の前では商隊と思しき集団、それとは明らかに違うの姿があった

 その違う集団は、剣や槍、斧などの本格的な接近戦武器、防具も重甲冑や大型の盾と言った重武装で固めていたり、革鎧などの軽い鎧を身につけていた

『これからとなるのに挨拶はしないのかにゃ?

 それと、にゃ』

 黒猫が喋る

知り合っていたら変でしょ?

 突然,『やあ、奥さんと子供は元気?』とか話しかけたらさ、警戒されるよ

 ・・・しっかし、いつ見ても立派な城壁だ」

 レヴェナントが再び外壁をみつつ尋ねる



『建築するには途方もない時間がかかるにゃけど、破壊するには数日にゃ

 現に『古龍』の襲撃、異常発生した魔物による『スタンピード』を防ぐ事は

 てぎずわずか数時間・・・長くても数日で破壊されことは

 死に戻りリスタートで見なかったかにゃ?』

 黒猫が喋る

「そんな夢も希望も言わないにゃんこさんには、そのお腹をモフモフ

 してあげようか』

 レヴェナントが黒猫に視線を向けつつ言うが、脳裏には壁が崩壊し、阿鼻叫喚の

 地獄絵図が発生した光景を思い出していた

『ぶっ飛ばされたいかにゃ?』




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