第3話
大柄な猿の大群は、何かに憑依された様に死に物狂いで男性に殺到していた
対する男性は反吐が出るような壮絶な闘いを続け、大柄な猿を粉砕し蹴散らし
続ける
ウォーキング用ジャージを纏った全身とウォーキングシューズを履いた脚は、
大柄な猿の血潮で赤黒く染まっていたが、男性の表情からは一切の苦痛を感じていない様に見える
男性は特に棍棒を握りしめ襲い来る大柄な猿は片っ端から殴り、または蹴倒す
ある大柄な猿は、十メートル先の岩壁まで蹴り飛ばされた
岩壁に全身を強打した大柄な猿は、『ガッ!』と短く呻くと四肢から力の抜けた
様にぴくりとも動かなくなった
口からは夥しい血反吐を吐き出していた
息絶えた大柄な猿の死骸は、辺りに山となるほど出来上がっている
たが、男性と黒猫が向かおうとしている先からは濁流のような勢いで次々と
大柄な猿が奇声を発しつつ出現する
圧倒的な数に、さすがの男性も背筋が冷たくなったのか一瞬躊躇した
『やはり何かがおかしい』とそう思いつつ、男性は顔を歪める
今までの
大方悲鳴をあげて逃走していた
だが、今回は憎悪と憤怒で狂ったように物凄い勢いで向かって
来ているのだ・・・明らかに様子が違った
そしてもう一つ眼につくのは、『上位種』や『変異種』と呼称される種類が
いつもより多く出没していた
男性は深呼吸をして、地面に倒れたままの猿を確認する
それは黒と青の肌をしていて、大きなひげと耳を持っていたが、ゆっくりと
観察は出来なかった
興奮し突進してくる『上位種』の大柄な猿に、男性は一歩踏み込んだ
本貫手が唸りを発して水平に飛ぶと、『上位種』の大柄な猿の眉間を打った
頭蓋骨が陥没した『上位種』の大柄な猿白目を剥いて昏倒した
男性は大きく息を吐くと、ファイティングポーズを取り、前方を見据えた
この場所は暗く視界が悪いため目視で数はわからいが、男性には
迫りくる気配で、合計2,000から5,000規模の数が
迫っていると判断していた
それは決して油断も無視できる数ではない
ただでさえ、『上位種』や『変異種』は最後の一匹になるまで抵抗をやめない事を
そうした激しい闘いだが、地面にへたり込み命乞いらしき動作をしている
大柄の猿もいた
「それを見逃して幾度後ろからばっさり殺られて
男性はぼそっと呟くと、大柄の猿に向かって容赦なく拳で滅多打ちにした
生きるか死ぬか、喰うか喰われるのかの経験を積み上げてきたためか、
そこには容赦というものがまったくなかった
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