第7話 いらだち

各国との争いがなくなったので兵士長はやることがなくなりました。街のいざこざ、小さな争いごとの解決しか兵隊のすることはなくなっていました。兵士長は意気消沈していました。街では詐欺がありました。新しい商売をねらう詐欺で各国との輸出入取引の請負でお金を支払うと書類とともに姿を消し、事務所もなくなります。法整備が間に合っていなく法の抜け目を狙う狡猾な詐欺でした。証拠がなく兵隊は踊らされていました。

それでも兵士長、兵隊は地道な聞き込みで詐欺師を見つけることができました。兵士長は詐欺師につめよりますが証拠がないの一点張で埒が明きません。詐欺師は逃げようと、兵士長を突き飛ばしました。兵士長は突き返しました。詐欺師は地面に強くぶつかり意識を失いました。それでも兵士長はいらいらがおさまらず兵士の制止をはねのけて、兵士長は剣を抜き詐欺師に近づきます。白銀に輝く剣の刃に兵士長の顔がうつりました。狼に噛まれた傷、眉間の深いしわ、瞳孔が開き、歯を強く食いしばっていました。醜い化け物のようでした。兵士長は「申し訳なかったです」と詐欺師に言いました。その時、兵士長はこのいらだちは詐欺師に対するものではなく王様と自分に対するものだとと思いました。

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