第3話 雨季
子供の二人は成長して成人になりました。王様の子供はこの国一番の美しい賢者となりました。兵士長の子供はこの国一番の強い戦士になりました。国は長い雨季になっていました。このとき王様は病に倒れて数日間高熱で苦しみました。数日後熱がおさまり穏やかな顔で王様の子供に「この国を任せたよ」と言いました。
王様は明くる日眠るように亡くなりました。王様の子供は涙が止まりませんでした。兵士長も長年一緒にいた王様の死を前に涙が止まりませんでした。兵士長の子供は何をしていいのかわからず、何も言わずに二人のそばにいました。
兵士長はある晴れた日に山を登りました。そこは王様と一緒に登った山でした。長く降り続けた雨で土砂が緩み、滑落して兵士長は亡くなりました。兵士長の子供は涙が止まりませんでした。王様の子供は兵士長の子供に「がんばろう」と言いました。その時、兵士長の子供はありがとうと思いました。
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