緑の血 下

 その夜仕事を終えいつも通り

酒場で酒を飲みベロベロになって

帰宅する文官。

真っ直ぐ帰ればいいのに涼みに

街を少し歩き回ってから帰ろうとします。

「あー、もうなんなんだよあの野郎、上司だからって偉そうにしやがって中身は秘書が居なければ何もできやしないのに。…はぁ。 そろそろ帰って寝るか」

 そんな文官は目の前に落ちる旗を見つけ

持ち上げます。

「なんだこれ。緑の地に剣のマークかぁ、あぁ、そういやぁ冒険者ギルドの旗に似てるなぁ。よし返してから帰るか」

しかし

「すみません。それうちの旗ではありませんね」

「あれ?違ったかなぁ」

「こちら預からせていただいてもよろしいでしょうか?冒険者は情報が命ですし誰か何か知っているかもしれません」

「あぁではお願いします」

そういうと文官は家に帰りどさっと勢いよくベットに倒れると寝てしまいました。


その夜夢を見ました

異形の化け物に囲われており

一斉に襲いかかってきました

文官はいつのまにか手に持っていた黒い剣で

異形の化け物を一刀両断します

 上と下に

すると目の前から異形たちの主のようなものが前から来て斬りつけます

カッとなった文官はその主の四肢を切断します

その時文官の視界がパッと変わると

そこには

いくつもの上と下に切断されたご遺体

四肢を滑らかに切り取られた親友

そして怯える人 人 人 人


ふと自分の傷を見ると真っ暗な肌から

『緑の血』


ギルドの上では緑の旗が

たなびいていましたが

いつのまにかその旗は

無くなっていました。

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