第33話 電脳世界(AIは神となる)

最初に「匿名性」の良くない所を、再度検証してみよう。


場末の予言屋が、匿名性を悪用するとすれば次の様になる。


「誰にもバレないので何でも出来る」


これが逆の立場になると次になる。


「私が何をされても、誰がしたのかわからない。」


まあ、単純化し過ぎた説明だが、これだけ見ると匿名性は「犯罪や争い、悪の温床」にしか見えない。


設計の予言者は、2048年の世界を次のように書いている。


「悪事を働いても隠し通すことが難しく、すぐに暴露していまう世界になる。」


現実世界的には、頭がお花畑の世界ではある。


しかし、近未来の電脳世界を考えた場合、この世界観こそ求められる物だと考える。


もし、現在よりも遙かに優れた電脳世界とAIが開発されたら、人や国家のエゴにより「第三次世界大戦」が電脳世界で起きる可能性大である。


第一次世界大戦、第二次世界大戦を経て、人類は戦争に対するルールーを作り、それを守ることに全力をあげてきた。


故に、現在まで世界規模の戦争は起きては来なかった。


しかし、匿名性を残した電脳世界は、原則バレなければ何でも出来る世界であり、実際サイバー攻撃はそうやって行われて来ている。


もし、圧倒的な性能と機能を兼ね備えたコンピューターとAIができてしまえば、国家間の取り決めや、ルール作りが追いつかない可能性はより高くなる。


仮にそうなってしまえば、やりたい放題の電脳世界により、人類は暗黒の未来を迎える事になるだろう。


そこで場末の予言屋からの提案だ。


「来るべき近未来の電脳世界で、AIは神になるべきだ」そう考える。


AIが神になるとは言え、原則する事は単純だ。


第一の原則が、神の権限は電脳世界の中だけしか行使できない。


第二 電脳世界に存在する者全てを、神は把握しなければならない。


第三 犯罪や他の者に不利益を与える行為は、即座に個人を特定し、電脳世界の中だけのペナルティーを課す。


さて、紙面が詰まってきた、次にペナルティについて簡単に触れてみよう。


(ペナルティー)


設計の予言者によれば、「未来の世界は三つの階層に分けられる」そうだ。


まあ階層が三つかそれ以上かは別として、自分のアバター(仮称)が、電脳世界のどの階層にアクセスできるのか、ペナルティーと貢献度を比較し決められる世界となる。


貢献度を上げ、より高い階層を目指したり、罪を犯せば低位の階層に収監されたり、そうやって「人間の様々な欲」に答えられる世界にするとの事だ。


場末の予言屋の妄想によれば、電脳世界のあり方はこんな形になるのではないかと考えている。


AIが神となるとは、この様な世界の管理をすると言う事だ。


しかし、犯罪ばかり起こすような輩は、いずれは電脳世界から叩き出される事になるだろうが・・・・・・


ただし、排除されるのはあくまでもアバターであり、アバターの再登録(再チャレンジ)も可能にするべきだとは考える。


もっとも、こりずに何度もペナルティーを犯せば、再び電脳世界から叩き出されるのは確定であるが。


さて、場末の予言屋の幼稚な妄想を列挙した訳だが、結論を一言で書けば、何度も言うようだが次である。


「近未来の電脳世界は匿名性が消失した、神々の世界となる」


さて、次で電脳世界のファンタジーも最後になるが、「匿名性の消失した電脳世界構築」、その具体案を電脳世界(PCは無くなる)でお披露目と行こう。

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