第21話 オーバー・テクノロジー
さて、すでに至る所で人類を脅かしているオーバー・テクノロジー、場末の予言屋はその起点を、1905年と予測する。
この年は「アインシュタイン奇跡の年」と言われており、後にノーベル物理学賞を受ける光電効果についてや、特殊相対性理論を説明したものなど、4つの論文が発表されている。
これらの論文は、空間・時間・質量・エネルギーなどの、科学の基本的概念に革命をもたらした。
すなわちこの年が、現在の理論物理学誕生の年であり、様々なオーバー・テクノロジーを生み出す起点となった事は間違いではない。
このオーバー・テクノロジーであるが、これからの世界を良い意味でも、悪い意味でも劇的に変えて行く。
国際条約で規制を設け、各国の外交バランスで事なきを得ている核だが、最近はEMP、日本語訳で電磁波爆弾(電磁パルス爆弾)としても開発され始めている。
これは、強力な電磁波を発生させる事により、広範囲に及ぶ電子機器の基盤を破壊し、コンピューターを始め、家電や自動車などを使用不能にする。
結果、広範囲に渡りライフラインが止まる。
電気・水道・ガス・公共機関・物流、一発の原発による高高度爆発によりすべてが止まり、炊事洗濯、食事にトイレ全てが出来なくなる。
さらに、物流が止まり、交通機関も麻痺すれば、何日も掛けて歩いて逃げ出すか、我が家に止まる場合は、物資の手配に歩きで奔走する事になる、全く迷惑な話しである。
まあ、こんな状態で他国からの侵略を受ければ、国家は即刻滅亡する事請け合いだ。
こんな非人道的な兵器など使うなよと言いたいところだが、相手が独裁国家だったりすれば、お構いなしで実行しそうだ。
もっともこれは、オーバー・テクノロジーを悪用した場合になる。
核のテクノロジーの原点にある、かの有名な公式「E=mc2」だが、これはエネルギーの根幹であり、物質であれば全てのエネルギーの基はこれである。
ただ、その原理にウッカリ気付いてしまった為に、技術として応用(悪用)出来るようになってしまっただけの事である。
残念な事に、気付いてしまった以上その公式や技術が無くなることは無い。
オーバー・テクノロジーを悪用するか、悪用しないかは人類の選択にかかっている、その一択しか無いのが現実である。
そんなオーバー・テクノロジー、某TV局の特番でも、最新のものが取り上げられていた。
一つ目がゲノムテクノロジー。
奇しくも2020年12月11日ノーベル化学賞を受賞した技術「クリスパー・キャス9」が解説されていた。
これはゲノム編集を格段に容易にするもので、この技術が発展して行けば、医学界にどれほどの貢献をするか分からないテクノロジーである。
ただし、倫理規定で禁止されている「ヒトゲノムの編集」、これは神の領域とされる。
しかし、既にその禁を犯し当局に拘束された科学者まで現れている。
また、医学分野では人間の臓器を肩代わりする為に、「サルや豚と、ヒトとのキメラ」を生み出す事までなされている。
もし、この技術が心ない国家により軍事転用された場合、一つ間違えば「ヒトと動物のキメラにより、地球が征服される未来」が待っているかもしれない。
これについては最近流行のAI、人工知能でも同じである。
運用を間違えれば、一昔前の映画にある様に、人工知能が人類を地球の破壊者と定め、地球を守る為に「人類を淘汰すべき生命体として認識する」、そんな未来も考えられる。
しかし、現実はもっと残酷である。
2021年、既にAI搭載の自爆式ドローン(通称 カミカゼ)により、東欧の戦争で一個師団が壊滅させられている。
もちろん殺害を指示したのは敵国の将校ではあるが、殺害を実行したのはAIである。
機械が自己判断で次々と人を殺傷して行く戦争、「人間の命はゴミではない」と、思わず叫びたくなる世の中である。
なおAIの犯罪はそればかりではない。
国家をあげての暗号資産の強奪に、他国の軍事施設のハッキング、石油輸送システムへの攻撃、AIが合成したフェイクニュースによる人心誘導など、現在の電脳世界はまるで「悪の巣窟」の様相を呈している。
これについては設計の予言者が目指す電脳世界。
「神々の世界と、近未来の電脳世界」と言うファンタジーで言及して行こう。
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