第16話 世の終わり近づけり

さて、やっとこさ「最後の審判」の予言解説となる。


まずはその取っ掛かりの予言から。


原作の題名は「夜の終わり近づけり(後略)」だが、この件について解説すると長くなるので、ここは最後の審判の計画のみに止めよう。


この予言だが、さすがに1950年(2020年)1月1日の前日(大晦日)に書かれているだけあり、次のような内容の書き出しから始まる。


「次の世界への転換こそ、いまや目睫に迫りつつある一大危機の開始である。」


「一言にしていえば、世界は今や黎明の寸前にあり、これによって空前の大変化が起き、未だかつて経験にないほどの破壊と創造が行われる。」


執筆されたのが1949年の大晦日ではあるが、計画は70年後に実現する。(場末の予言屋の独断的解釈ではあるが)


すなわち2019年12月31日、新型コロナのパンデミックが、WHO(世界保健機構)に報告される事により初めて世に出た事と、同期するのがこの予言である。


なお、肝心の「一回目 最後の審判」は、年が明けてすぐの1月20日に執筆されている、これについては次で詳細を解説して行こう。


話しが脱線したので予言の解説に戻すが、「夜の終わり近づけり(後略)」の予言、冒頭はユダヤ系三宗教の「最後の審判」の、真の意味を説明するところから始まる。


もっとも、原文には「世の終わり近づけり」、「天国は近づけり」と記述されてはいるが、最後の審判と同義と思ってもらって良い。


続けて、予言には2020年にどの様な災害が起きるのかについて書いてあるが、その内容は一般的な予言で予測されていた、惑星の衝突やポールシフトなどの災害、カタストロフィーではなく、病気の蔓延を示すものだった。


原文を要約すると次のようになっている。


「最後の世の病気は極めて迅速な経過を取り人類を襲う結果、多くの人が亡くなる事が予想される。この事に対しては最後の審判の言葉をもって一大警告が発せられている。」


確かにこの予言、「あっという間に世界に広がり、たとえ軽い症状であっても、容態が急変すると一週間もたたずに死に至る。」新型コロナを現していると考えられる。


しかし、驚くべきところはそこではない。


予言学的にみれば次の原文こそ注視すべきところである。


「今日までは、審判の真相と時期が分からなかった。

しかるに、いよいよ時の迫った今、ここに警告を与える。

以上の意味において、大審判が全人類の上に覆い被さらんとする秋(とき)」


原文の最後を見ればわかると思うが、「秋」の字を当てて「とき」と読ませている。


この不可解な当て字だが、数ある彼の予言の中でも、ここ以外には見つける事は出来ない。


故に、だれも解読する事ができなかったのだが、長い間謎とされていた「秋(とき)」の当て字、新型コロナのパンデミックで初めて解明される事となった。


2019年12月31日、初めて世に出た新型コロナだが、実際の感染者はもっと以前に存在したと思われる。


その検証として某テレビ局が行った、新型コロナに関する学術論文の、「AIによる全文解読」では、武漢において最初の感染が起きたのが、10月から11月に掛けてだったとの結論に至った。


また最近の報道では、米国による新型コロナ発生源の再検証により、「武漢研究所流出説」が有力視されている。

もっとも全てが状況証拠ではあるが、幾つか列記しておこう。


2019年9月12日深夜、武漢研究所の膨大なデータが消去される。


2019年10月 武漢で世界100カ国の軍人を集めたスポーツ大会が行われたが、大会中多くのアスリートが新型コロナに類似した症状を見せた。


2019年10月 武漢研究所近くの病院の駐車場の車の数が大幅に増加。


これらから見ると、新型コロナのパンデミックは、2019年の秋から始まったと推測できる。


しかし、設計の予言者によるこの予言、70年前の12月31日に書かれたとはとても思えない内容である。

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