第一章 アフター・コロナの近未来

第3話 疲弊して行く日本

西暦3000年。

日本列島の人口は2000人となり、荒野が広がっているだけとなっていた。


これは現在の、合計特殊出生率から計算した机上の未来である。

1000年後では実感しにくいので、もう少し現実的なタイムスパンで書き直してみよう。


「西暦2300年、最盛期の10分の1まで減った日本の人口は、2400年代に入りついに500万人を下回る事になった。」


以上が人口減少から見た日本の未来であるが、これは合計特殊出生率が1.42の時に計算されたものであり、新型コロナのパンデミックで1.34まで落ちた現在、実際はもっと悲惨な未来に向かっていると思われる。


もっとも、合計特殊出生率が日本より低い国が、他に無い訳でもない。

2020年現在の最新データでは、韓国の0.84が最も低い。


ちなみにお隣の韓国であるが、英オクスフォード人口問題研究所から「人口減少で最初に消滅する国」と言う不名誉な称号を授かっており、22世紀(2100年)を迎えられないのではないかとも危惧されている。


これだけ見れば日本はまだましと思えるかもしれないが、日本にはもう一つの大きな問題が存在する。


それが、急速に進む高齢化。

某ベストセラーによれば、2024年には3人に1人が65歳以上になっているとの事。


未来の日本は、世界有数のスピードで進む超高齢化社会を支えながら、人口減少による消滅を迎えると言う、ダブルパンチの地獄を味わう事となる。

なお衰退してゆく日本の未来を、某ベストセラーから幾つか紹介しておこう。


日本でこのまま人口減少と高齢化が進んで行くと、2030年までに地方の百貨店や銀行は姿を消して行き、2033年頃には住宅の三軒に一軒は空き家になり、2040年には自治体の半数が消滅の危機にさらされる。


しかし世界は、第三国を中心に人口が増え続けると共に国力を増して行く為、2050年頃に予測される食料の争奪戦で、日本の食料買い負けが顕著になって行く。

もしかするとこの頃の日本では、農業従事者の極端な減少と耕作面積の半減とが相まって、食糧不足による飢餓が日常の事になるのかもしれない。


2000年当初は、GDP世界第二位の経済大国だった日本。


2028年にはGDP世界第七位まで後退し、人口は2040年代に一億を割り込むと言われている。

高齢化と人口減少により、国の老化が加速を続ける日本の未来はどうなるのか。


このように悲惨な未来が科学的に証明されてしまった今日、我々物書きは一体どうすればよいのか。

執筆生活を語るついでに、「設計の予言者」による近未来の予言ファンタジーとして、つらつらと綴って行こうと思う。

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