第2話 戦争の時代・経済の時代・外交の時代
これから書くのは、1895年から2045年まで150年間の、大きな歴史の流れを予測したものであるが、あくまでも「場末の予言屋」の持論でしかない事を、前もってお断りしておきます。
根拠としているのが、「設計の予言者」により1948年に執筆された未来記である。
そこには「百年後に目が覚めたら、世の中がすっかり変わっていた仮定で書いた」となっている。
予言は序文と本文に分かれており、序文には「予言を受けた年代」についてが示されている。
なお、肝心の本文の冒頭では「世界政府と世界大統領選挙の様子」が語られているが、序文の流れから見て2048年の近未来を現した一文と捕らえられる。
また世界大統領選挙の様子からは、2048年の国際情勢をも読みとる事ができるが、詳細については助長になりすぎるので割愛する。
なお、ここで解説する「戦争の時代・経済の時代・外交の時代」は、この予言を基にした仮説となる。
「戦争の時代・経済の時代・外交の時代」
早速本題に入るが、まずは戦争の時代から。
これは1894~5年の日清戦争から、第二次世界大戦終戦の1945年までの五十年間を指す。
ここで行われたのは、武力により「世界と言う単位と国の形」が定まったと言う結果だ。
ちなみに、世界大戦の先駆けとなったと言われているクリミア戦争。
年代は1853年から1856年。
その規模は参加した将兵の数180万人、戦闘の範囲はイギリスとフランスの連合艦隊が、極東ロシアのカムチャッカ半島攻略を目論んだと言われている事から、世界大戦の先駆けとも呼べるものだった。
しかし、戦争に参加したのは、フランス帝国・オスマン帝国・イギリス・サルデーニャ王国・ロシア帝国である。
これをみる限りこの時代までの戦争は、国家間と言うよりは、王国同士の争いの名残が残っていると思われる。
従って、現在の「世界と国家の枠組み」が出来上がったのは、第一次世界大戦後の国際連盟、第二次世界大戦後の国際連合などを経て初めて現実的なものとなる。
すなわち、現在の世界と国の形は、「戦争の時代 1895年~1945年」の50年間で創造されたと考えられる。
次が経済の時代で、該当期間は1945年から1995年までとなる。
ここではソ連の崩壊と東西冷戦の終結、さらには1995年の円高(1ドル75円)と、勝敗は経済の力によってもたらされた。
この五十年で作られたものを一言で表現すると、「世界の物流に対するグローバル化」が進められた事だ。
この五十年で、世界の物流は国から世界へと舞台を変えた。
ただし、この五十年世界を席巻したのは武力ではなく経済力だった為、貧富の差はより激しくなった。
次に迎えるのが、最後の1995年から2045年までの五十年間だ。
設計の予言者によれば、2048年には新しい世界になっている予定であり、逆算するとこのタームは、人類の共存と生き残りを賭けた、外交の時代になると考えている。
ちなみに、経済の時代にグローバル化した物流であるが、1995年は別のグローバル化が始まる事となる。
それが「情報のグローバル化」。
該当するトピックは、「1995年 日本のインターネット元年」。
すなわち、情報のグローバル化元年が1995年と言う事になる。
あえてグローバル化を物流と情報に分けたが、何故二つに分けたのか。
その理由を、物流と情報のグローバル化で最も大きな違いから検証しよう。
それが「時間」である。
物流はあくまでもアナログである、従って距離と体積と質量と言う、物質世界の制約から逃れる事はできない。
※時間の概念とは、理論物理学上では「距離と速度」となっている。
しかし情報は全く異質である。
発信・拡散・受信が一瞬で行われ、時間の制約を受けない。
それでは以上の仮説より、極めて単純な結論を紹介するが、この150年で人類がたどる道筋は、以下の通りとなる。
戦争の時代 1895年~1945年
「国の形を明確にし、世界の全体像を作り上げる。」
経済の時代 1945年~1995年
「物流(物質)のグローバル化を実現。」
外交の時代 1995年~2045年
「情報(精神)のグローバル化を実現。」
結果この150年で、世界は「物心ともに共生する世界の実現」に成功して、西暦2045年以降は極めて平和な(これまでの時代よりはましな)時代を送ることができるようになる。
以上が場末の予言屋の持論であるが、では実際に世界はどのような形になっているのか。
これについては「設計の予言者」は、二つのファクターを提示している。
それが「世界政府」と「宗教統一」。
これを場末の予言屋が翻訳すると、「近未来の世界は、世界政府と言う権力と、世界宗教者会議と言う権威による、二重統治が行われる。」となる。
もっと分かりやすく言うと、日本が長い時間を掛けて歩んできた、「天皇制と時の権力」の二重構造による国の統治、この日本のあり方を世界の共生に応用した世界の姿となる。
しがないオジサンの与太話はこのくらいにして、未来が本当に「物書きにとって過ごしやすい世界」になっているのか、設計の予言者が示す近未来を解説する事で見てゆく事としよう。
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