第14話 秘技『鏡華《かがみばな》』
「それ……マジ!?」
兄貴が運転する車内で、私は驚くべき話を聞いた。
兄貴の剣道のお師匠であり、昨日、私に剣道の心得を伝授して下さった『
それは……
兄貴が剣道を習っていた頃、毎年松の内が明ける1月11日に『
……兄貴の話によると、お弟子さんたちが固くなった
『飛んで来る複数の物体を、両手に持った剣で全て破壊する』!
まさに、今回のVRゲーム『サーベルタイガー』の『ビートモード』そのものだ!
それを拝見させて頂けたら、もしかしたらゲーム攻略のヒントを得られるかも知れない!
……私ったら、こんなに私を心配して色々協力してくれてる兄貴に失礼な態度をとっちゃった……。
「お兄ちゃん……さっきは当たっちゃってごめん!」
「ははは、良いって事よ。 その代わりVR、また貸してよねっ!」
あ~あ……それを言わなければカッコ良い兄貴のままだったのに~(苦笑)
そんなこんなしているうちに『六号歴史塾』に到着した。
インターホンを押すと、今日は先生がお出ましになり、教室に通された。
「2日続けてお邪魔して申し訳ありません」……と兄貴が先生に頭を下げ、私もそれに従った。
先生は笑顔で「いや、人間、頼られなくなったら寂しいからね。 私は嬉しい! ただ……」
『ただ』?
「……うむ、私は目がすっかり悪くなってしまって、ここ数年『鏡華』をやっていないんだよ……」
ガーーーーーーン!
……で、でも、呼ばれたって事は、過去の映像でも観せて下さるのかな?
「その代わり、今日は
「え!? 先生の他に、あの大技をやれる
「一人だけ……ね! 今、身を清めていて、間もなく来るはずだ」
……!
身を清める! ……そうか……『神事』って言ってたよね。
「私の急なお願いでご迷惑をおかけして、本当に申し訳ありませんっ」 ……私は何度も頭を下げて感謝の意を示した。
「はっはっはっ! お気になさらずに。 ……妹さんは検査の先生だそうですね。 いつも大勢の人たちの健康を守って下さっているんだ。 今回は、
……胸が熱くなった。
私たち臨床検査技師は、決して華やかな仕事では無い。 ……って言うより、一般の方には殆ど知られていない職業だ。 当然、直接感謝される事など無いし、採血の時には『吸血鬼!』と罵られる事さえある。
そんな私に『お礼』なんて……。
もう一度深く頭を下げると、大粒の涙が床に零れ落ちた。
「遥君は純粋な良い妹さんを持って幸せだな!
『コンコンコン!』とノックの音がして、反対側のドアが開いた。
白い衣装を
「この度、
あ! ……あなたは!
昨日の……美人のお手伝いさん!?
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