第2話『青天の霹靂』!?

 それから1週間後……


はるかさん、居る~?」……と検査室に入ってきたのは……


 い、院長!?


「五木く~ん、遥さん借りてくよ~」……と技師長に言いつつ、私の名札を軽くつまんで引っ張った。


 あららららららら〜…………犬のさんぽかぁ〜!?


 ……因みに、肩に手をかけたり手を引いたりするとセクハラorパワハラ行為になる恐れがある為、院長と言えどそれは出来ない。 でも、これはこれで恥ずかしい……。



 院長室では、事務長と看護部長が、笑顔で待っていた。


 事務長に勧められたまま院長室のソファーに座った。 うわあ! ふわっふわだ! ……まるで雲の上みたい!


「さあ、遥さん! 先ずはお茶でも飲んで!」……と、看護部長がペットボトルのお茶をくれた。


「は……はあ……。 い、いただきます……」


 ……状況からして、怒られたりする雰囲気では無いので少し安心したが、お偉いかたが、ただでお茶を下さるとは思えない。 いぶかりながら軽く口を付けたが、味なんて良く判らなかった。


「さて、早速だけど遥さん!」院長が口火を切った。


「この前の演劇は本当に楽しかったよ! あのけんさばき! 素晴らしかったぁ~!」と言って、剣を振る真似をした。


 前回、みやこ先輩も言っていたが、私は区民劇で『カモミーユ』と言う名のお姫様を演じ『殺陣たて』もやらせて頂いた。(是非とも本編第4章『スポットライト』をご高読頂きますよう、宜しくお願い申し上げますっ!)


 ……この区民劇は、院長が会う人会う人、事あるごとに宣伝して下さったので、立ち見が出るほどの大成功に終わった。


 それにしても、思い出すだに……恥ずかしい……。



「……そこでですよ!」


 ……事務長が院長のげんを引き継ぐ形で、とんでもない事を言い出した!


「そんな遥さんを見込んで、是非! 次回の『eスポーツ大会』に出場して欲しいんです!」


 えっ? えっ?


 ええぇぇ〜〜〜〜っ!? 

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