特別編 真優の備忘録1『屋外BLS』

 ※今回から数話、『特別編』と題して、本編の主人公、はるか 真優まゆがまとめた『ICLS講習』対策の自習ノートを掲載致します。 ご高読された読者様がお一人でも多く『救命』にご興味をお持ち頂けますように……。


****************


【屋外でのBLS(一次救命処置)】



 倒れている人を発見!



 先ず周囲の安全を確認し、感染防護しつつ慎重に近付く。



 患者の両肩を軽く叩きながら大声で呼びかける。


 何らかの応答や仕草が無い時は『反応無し』とみなし、


 大声で『誰か来てください!』と、助けを求める。




 人が来たら……


『あなたは救急車を呼んで下さい』


『あなたは人を集めて下さい』


『あなたはAED(自動体外式除細動器)を持って来て下さい』


『あなたは時間を計って、私に教えて下さい』


 ……等と依頼する。


 人は、可能な限り多い方が良い。


 頭部屈曲顎先あごさき挙上法で気道を確保しつつ、頸動脈を蝕知し


『呼吸、無し』


『脈、無し』


 ……の場合、直ちにCPRとして、心臓マッサージを開始する。


  CPRとは脳への酸素供給維持である。


 脳自体には酸素を蓄える能力がなく、呼吸が止まってから4~6分で低酸素による不可逆的な状態に陥る。そのため一刻も早く脳に酸素を送る必要がある。


 人間の脳は2分以内に心肺蘇生が開始された場合の救命率は90%程度であるが、4分では50%、5分では25%程度となる。


 胸骨圧迫は胸骨下半分(胸の中央)を強く、速く、絶え間無く行い、リコイル(腕の戻し)を意識する。


(約5㎝の深さ、1分間に100~120回、10秒以上中断しない)


 ※現在、マウス・トゥ・マウスによる人工呼吸は推奨されない(感染症対策のため)どうしても行う場合は『深めのため息程度』を吹き込む。 吹き込み過ぎは良くない。


 BVMや、その代用品がある場合は、30対2の割合で人工呼吸を行う。(軽く摘まむ程度)この場合、持って来てくれた人が使えるかどうか聴いて、手伝って貰って良い。


 疲れたら、周りの誰かに交代して貰うが、この際も10秒以上中断しない。


 AEDが到着したら、こちらも持って来てくれた人にご経験の有無を聴いて、装置の自動音声に沿って操作を行う。


 通電の際には、周りを見回して安全を確認しつつスイッチを押す。


 

 ……患者に、正常な呼吸や心拍が戻るまでCPRとAEDを繰り返す。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る