第12話『スポ根』
私……指が短いのかな? はっしーの顎に、小指がやっと届く感じだ。 このまま引き上げるなんて、到底無理そうだ(泣)
「はい、そこまで〜! じゃあ私が横になるから、はっしー『
深田先輩が、はっしーこと橋本と交代して横になった。
……!
はっしー、凄い! 実にそつなくこなしている……!
な……何でぇ〜〜?
「私、高校の頃、新体操やってたから、指先まで神経を尖らせるのは得意なんだ」
え〜! 良いなぁ〜〜(泣)
「私……部活『マンガ部』だったからな……」
……以前にも書いたが、私の身体は運動系の動作をするように設計されていない。 『指の先まで神経を尖らせる』……なんて、夢のまた夢……だ。
学生の頃に、もっともっと運動しておけば良かった……と後悔しつつ、私は下唇を噛んでうつむいた……。
はっしーが私の肩に手を乗せ、微笑みながら……
「確かに、私は新体操をやってたけど、その理論で言ったら、特別な人しか『BVM』を使えなくなっちゃうじゃない? 大丈夫! 要は慣れ! 慣れよ! ねっ、深田さん!」
深田先輩がベッドで私を見ながら……
「はっしーの言う通りだよ。 遥……今、悔しそうな良い顔してたよ! 確かに、はっしーと比べたらお前はちんちくりんだから、努力が必要かも知れない。 ……だけど『悔しい』って気持ちさえあれば、お前は何でも出来る! 私はそう信じてるよ!」
……褒められてるのか『ちんちくりん』とばかにされているのか良く判らないが、深田先輩の事だから、悪気は無いんだろう。
この日から私は練習用の『BVM』を借りて、家でも猛特訓する事になった。
……今更ながら、ひとつだけ疑問に思った事がある……
『ICLS』って、こんな『スポーツ根性もの』なの……!?
作者注:私、実際『ICLS』講習会に参加しましたが、生半可な運動量では無いです。
……『人命を救う』という行為の大変さと偉大さを知る事が出来た、貴重な体験でした。
ご興味をお持ちになられた
あっ、因みに、【はい! 『はるか』……】の本章は、もう少し続きます😊
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