第4話 手拍子

 病院の廊下を、深田先輩の笛のリズムに合わせて進むと、すれ違うギャラリー(病院職員)が手拍子をして、温かい目で見送ってくれた。


 ……深田先輩と私を中心に、病院が1つになった瞬間だった……


 ……な〜んて、某『24時間走り続けるランナー』みたいになれる筈も無く……


 ただ、ひたすら……


 顔 か ら 火 が 出 る 程


 恥 ず か し か っ た !


 ……これでも私は以前、区民劇で主役を務め(本編第4章『スポットライト』をご参照下さい)多少なりとも舞台度胸は付いたと自負していたが、とんでもハップンプン! には心底しんそこまいった。


 深田先輩は恥ずかしく無いの? 私と先輩、何が違うって言うの!? ←混乱


 ……あ、判った。


『ジャージ』だ。


 私はかなり……いや、ちょっとキツめのTシャツとハーフパンツ…… おまけにストッキングは肌に合わないので、俗に言う『生脚なまあし』? 状態だ。


 寒くは無いが、ズボンに慣れた身には、じかに風が当たると、膝から下がスースーして、何とも頼りない(泣)


 よし、決めた!


 ……明日は、元卓球部の兄貴にジャージを借りて持って来よう。 ←案外懲りてない!


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