第16話 DEAD or ALIVE

 活動室が使えるのは21時までなので、そのあとは近くの居酒屋さんに移動して、もう少しお話を聴くことにした。


 秋山さんが「おっ! 今日は鈴森さんも一緒に行けるのかい?」……と、嬉しそうに言った。


「は……はい。 せっかくはるかさんも来てくれたので……お、お礼がてら……」


「嬉しいなあ! いつも男はオレだけだから、肩身が狭いんだよ〜」……と、秋山さんが泣き真似をして、鈴森さんの肩にもたれかかった。


「鈴森さんと行くのは、鈴森さんがサークルに入って以来じゃない?」……と大村さんも嬉しそうに言った。


「私も師匠と飲みに行くのは初めてです」……と言って、安西さんも笑顔を見せた。


 ……鈴森さんの様子がおかしい。 遠くを見て、歩みが段々遅くなって来ている。


 逃げる気だな!


 ダメ! ここで帰ったら、自分を乗り越えられない!


 ……私は小声で「私の兄、恋人募集中なんです! 安西さん良い人みたいだから、紹介しちゃおうかな」と言うと、鈴森さんが

ジト目で私を見た。


 私は更に……「安西さん、私のお義姉ねえさんになったりして!」……と、ちょっと意地悪っぽく言って、鈴森さんを見返した!


 さあ、どう出る!? 鈴森さん!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る