第11話 質疑
『お手紙、拝見しました。 私のような若輩者にご依頼なさる程、相当お悩みのご様子、大変お疲れ様で御座います。』
……書き出しはこんな感じで良いかな。
『私も、こと恋愛に関しましては鈴森さんと50歩100歩と思われます。 ただ、鈴森さんが好意をお寄せになっておられる方と同性である点に関してのみですが、もしかしたら何かのお役に立てるかも知れないと思い、僭越ながら返信させて頂きました』
……ちょっと
『お相手のお
……っと。 こんな感じかな。 よし、送信!
暫くすると、鈴森さんから返信が来た。
『お返事ありがとうございます。 やっぱり
……いや、断り切れなかっただけなんだけどね。
『僕が憧れている相手は『安西 弥生』さん。 歳は、二十代後半だと思います。 彼女は、僕が所属しているサークルの仲間です』
……よくあるパターンね〜。
『彼女が来ると、サークルの会場が明るくなり、彼女が来ない時はとても寂しいのです』
……ご馳走様です。
『先日彼女が、付き合っていた彼氏にフラレたと、話していました。 まるで、僕に聞こえるかのようにです』
……おや? 全く脈無しって訳じゃ無い?
『彼女に新しい彼氏が出来る前に、何とかお付き合いしたいと考えています。 『思いの丈』をぶつけようと、手紙を書いて渡そうと思いましたが、チャンスが無くて、渡しそびれております。 何か良い方法は無いでしょうか?』
それで焦ってたのかあ〜。
あの手紙、まだ渡して無かったのね。 ……中身はちゃんと読んでないけど、内容によっては引いちゃう可能性もある……か……。
『返信、並びに詳細をお教え頂き、感謝致します。 2点程、ご教示下さい。
1、その方とは、お知り合いになってからどの位の期間が経っておられるのですか?(知り合ってからの期間が短いのに大きなアクションを起こすと、びっくりして、却って逆効果になる危険があると思います)
2、渡そうとしておられるお手紙の内容をかいつまんで教えて頂いても宜しいですか? お恥ずかしいかも知れませんが、女性の目から見て、どのように感じるかを知りたいもので……
以上です』
……っと。 はい、送信!
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