第10話 脱ぎます!

 ちょっ! 待って待って!? これってどういう展開!? 何で私が鈴森さんにそんな事してあげなきゃなんないのよ(怒)


 そもそも論として、私、彼氏もいないんだよ!? その私が、恋のレクチャーなんて出来るわけないじゃん!


 ……冗談じゃ無い! おことわりします!



 ……手紙の最後に、メールアドレスが書いてあった。 メールってのが、また古いよね。 まあ良いや、これに返信しよう。


『私は、鈴森さんがおっしゃるほど人気なんてありませんし、彼氏だって出来た事がありません。 そんな私が、鈴森さんのような大人の恋愛をお手伝いするなど、到底不可能です。 レントゲンの橋本さんとか、恋愛経験豊富な人にご相談なさる事をお勧め致します。 では!』


 はい、メール送信!


 ……の前に……もう一回読み返してみよう。


 はっ! 危ない危ない! 『彼氏がいない』なんて書いたら、恋のベクトルがこっちに向いてしまう恐れがある! 


 おまけに……最後は橋本はっしーに丸投げしちゃってた! 頭に血がのぼり過ぎてたよ……反省。。



 さて……いざ、断りのメールを送ろうとすると、それはそれで可哀想な気がしてきた。


 鈴森さんの文面や筆圧からは、初めて芽生えた『恋』を叶えたい……と言う熱意と、自分ではどうして良いか判らないと言うもどかしさが伝わって来る。 何より、こんな私を頼ってくるなんて、かなり切羽せっぱまっているんだろう。


 それに、事故みたいなものだけど、鈴森さんがラブレターまで書いて、本人なりに、努力している事もは知っている。


 ……仕方ない……不肖、はるか 真優まゆ、ひと肌脱がせて戴きます! ←比喩ですよ! 本当には脱ぎませんからね! ←レイティング対策

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