第8話 リプライズ

 さて……あれから数日後……。


 鈴森さんは、相変わらず目が合うと脱兎の如く理学療法室に逃げ込んでしまうが、何かを探す素振りは無くなった。


 鈴森さんは、あの手紙を片思いの女性に渡せたのだろうか? ……と、私にとってはどうでも良い事ではあるが、偶然とは言え、巻き込まれた身としては、ちょっぴり気になっていたりして。。



 ……その日も私は締めの作業をして、かなり遅くなってしまった。 また例の観たい番組のタイマーをかけてこなかったので、急いで帰りの準備をして、靴箱からローファーを取り出し履こうとすると……足に妙な違和感を感じた。 持ち上げて見てみると……


 て! 手紙!? 


 ふんじゃったから、ちょっとクチャってしまっているが、間違い無く、この前拾った手紙と同じ封筒だ。


 ……1つ違っていた事は……そこには、宛名が書いてあった。


 『はるか 真優まゆ様』……と!

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