第2話 町野ラブストーリー

『僕、鈴森すずもり 駿太しゅんたは……町野中央病院に勤めています (ドクターではありません)』


 え〜! びっくり! ……鈴森さんが書いたラブレターだったんだ〜!



 鈴森さんは『リハビリ室』に勤務するアラフィフの鍼灸マッサージ師さんだ。


 ……私が廊下などで、すれ違いざま挨拶をすると、鈴森さんは無言でペコペコと頭を下げて、逃げるように早足で去って行くので、最初は嫌われてると思っていた。


 ……『はっしー』こと、レントゲン室の橋本とは、目も合わせないそうだ。


 レントゲン室の山本技師長(男性)の話では、鈴森さんは、若い女性の前では緊張してしまい、声も出ないそうだ。


 ……ただ、患者さんとは普通に会話出来るそうで、業務に支障は無い……と言う。


 そんな鈴森さんが、ラブレターを書いていたとは!


 当たり前だけど、ごく普通のおじさまも、恋をしてドキドキしたり、悩んだりするんだね〜!


 頑張って! 鈴森さん!

 


 …………。



 ……今回は、以上です。


 ……アラフィフ男性の恋愛物語は、私にとっては異世界のお話だ。


 さて、鈴森さんの靴箱に、何事も無かったかのように突っ込んでおこう。



 ……と思っていたのだが!


 実は今回は、ここからが長かったんだ!

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