第3話 壁に耳あり……

 さっさと、この手紙を鈴森さんの靴箱に入れて帰ろ〜! ……今日は、観たいテレビ番組のタイマーをセットし忘れてたんだ。


 早足で廊下を歩いていると、警備の山根さんに……「こんばんわ〜……遥さん、忘れ物かい?」と聴かれた。


 え? 何で私が戻って来た事、知ってるの

!?


 ……その理由は、程無ほどなくして判明した。


 この前当院に泥棒が侵入した(前章をご参照下さい)が、病院はその対策として、全棟に防犯カメラを設置したのだった。


 なるほど〜! 安心、安心(笑)


 …………


 ……じ ゃ 無 〜 い !


 この手紙、鈴森さんの靴箱に、入れられないじゃ〜ん!

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