第9話 変更
「ふっ、ガーベラー……貴様、考えるより先に身体が動きおったな!」
梅田先生が、手にした剣の柄で要さんの心窩部に
「カモミーユ💢」
続いて梅田先生が、私に剣を構えた!
ええ〜〜っ! 私、
「は、はい!」 ……私も、
「ご! ござんなれ」……と腰の刀に手をかけると……
「そこを
本当に斬られたっ?
……少なくとも、梅田先生が飛ばした殺気に当てられ、膝から崩れ落ちた!
む……無念……ガクッ
倒れ込んだ私の立ち位置に梅田先生が仁王立ちになり……「ふ〜む……」と言って、何かを目測している。
「……って、先生、どうされました?」……と要さんがムクッと起き上がりながら聴くと、先生が……
「いやね、今さっきのカモミーユの動きが非常に良かったので、立ち位置を変えて、台詞もさっきみたいにカットした方が良さそうな気がしてさ……」……と、いつもの顔に戻って言った。
も〜! 演技上手の人達のノリツッコミは迫力満点でコワイヨー(泣)
先生が「遥さん……立ち位置を変えてやり直して貰えるかい? ……『
「はい!」……と要さんと私が同時に返事をして、先生の指示通りに動いた。
……先生が満足そうに頷き、はっしーに……
「橋本さん、お客様の視点で観て、どうだった? 同じシーンでもだいぶ変わって観えたんじゃない?」……と聴くと……
「は、はい! 確かに、左右が変わるだけで……何となく……情勢が『危うい』って伝わりました!」
さすがはっしー、オールラウンダーだ! お芝居まで精通してるとは!
要さんが振り返り、私に微笑んでくれて、私も、笑顔を返した。
……そろそろお腹が空いて来て、お昼休憩をとる事にした。 奥様が私に「このカード使って、3人で何か食べて来て! 14時から再開しましょう」と言って、クレジットカードを渡してくれた。
「奥様や先生は一緒に行かれないんですか?」と聴くと「あの人、外食、苦手なの。 気にしないで行って来て〜」……と言ってくれた。
はっしーが「……私……そろそろ失礼しようかと……」……と言うと、先生が「いや! それは、いかん! せめて飯だけでも食ってって下さい!」……と言った。
……多分はっしーは、私と要さんを二人にしてくれようとしているんだと思う。 でもそれこそ『それは、いかん!』だ! 私……要さんと二人だけで食事なんて行ったら、何も喉を通らないよ!
「……はっしーに帰られちゃったら、私、歩いて帰る事になっちゃうから、お願い! 一緒に行こ!」……とお願いすると「……じゃあ、遠慮なく……ご馳走になります」……と、はっしーが先生と奥様に頭を下げた。
「良かった! メニュー全て食い尽くすつもりで行って来て下さい」……と先生が言った。
要さんが……「センセ〜、言い過ぎ! 俺たち『軍隊アリ』じゃ無いんだから」と言ったので、思わず、はっしーと一緒に吹き出してしまった。
……こうして私は、産まれて初めて、好きな人との『お食事会』に臨む事になったのだ!
き、き、緊張〜〜!
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