第2話 キ! キス!?

「ギャハハハ」


 ……非常に下品な笑い声を発したのは、親友の放射線技師レントゲン(正確には、だ学生)『はっしー』こと橋本だ。 ……涙流して、お腹を抱えて笑っている。


 ……前回のお話を、お昼休み、病院の休憩室で、はっしーに話したのだが……その結果がこの有様ありさまだ!


「親友が『お姫様』に選ばれたんだよ! 『すげー!』とか『絶対に観に行く!』とか言ってくれるのが普通じゃない!?」


 はっしーはりながら……


「私が笑ったのはそこじゃないよ! 患者さんに結果がバレないように『演技する』練習の為に劇団に入る……って発想がさあ! スゴい真面目な、まゆらしいなあ……と、お、思ってさっ! ギャハハハハハ」


 いや、ウソだ。 多分、私のお姫様姿を想像してわらってるに違いない。


 ……たしかに私はチンチクリンで、いつでも、いそいそ、ちょこまかと動き回っているから『カモミーユ姫』って印象は皆無だろうけどさ。


「まゆってさ〜」


「?」


「女優の『山田杏奈』に似てるよね」


 ……知らん。


 画像検索してみた。


 ……あっ……ちょっと似てるかも……。


 はっしーめ! 人をけむに巻くのが上手うまいなあ。


 はっしーが、山田杏奈ちゃんの画像を観ながら……


「うーん、お姫様かあ……。 ま、まあ、似合う……かな……?」


 ……はっしー……何故なぜ私を見て言わない。 1度その女優さんに変換してからお姫様姿を想像するの、めなさい。 


「キスシーンとかあんの?」


 ギクッ! 急な質問!


「な……無いと思うけど……」 ……実は、だ台本をちゃんと読んでいないのだ。 キ、キスシーン……とかあったら……どうしよう!


 はっしーが「私、キスうまいから、キスシーンありそうなら言って〜! 何時いつでも教えてあげっからさ!」……と言って、私に投げキッスをした。


 遠 慮 し て お き ま す !

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