第24話 過ぎ去る日々

 告白された・・・

 俺は真剣に考えた。

 そうしたら、もう冬休みは終わっていた。

 今は3学期、もう今年度が終わる。


『好き』


 ひらがなにしても、カタカナにしても、漢字でも、たったの2

 このたったの2文字に、どのくらいの想いがあるのか・・・。

 それに対して、どう向き合わなければならないのか。

 考えても考えても・・・結論は出なかった。



「心ここにあらず、だね?」

「あっ・・・まぁ」

 考えすぎて、頭がおかしくなっているようだ。

 手で頬を自分で叩き、頭を覚醒させる。

「うおっ!?」

 いきなり視界に冴木さえきがいたから驚いた。

 じっと俺を見ている。

 すると冴木は離れて一言。


「何かあった?」


 本当に鋭いヤツだな。


「まあ、そうだよ」

 守秘義務のような出来事なので言えない。

 さらに冴木はじっと俺を見る。

 少し怖いな、と思っていると。


「恋って、戦なんだよ?」


「は?」


 いきなり何を言い出すんだ。

 恋の哲学か何かか?


「だから私は好きな人には絶対振り向いて欲しいの」


 溢れる気持ちを吐き出すかのように言っていく冴木。

 こんな彼女を見たことない、初めてだ。


「ライバルに負けたくない」


 俺は黙って聞く。


「だから、だから・・・」


 あっ・・・言うな・・・


 言わないでくれ・・・



「私は君が好き」



 俺の願いは壊された・・・



「返事、待ってるから」

 冴木はそう言って、生徒会室を出て行った。

 残った俺は、また頭が真っ白となり、脱力した。

 間抜けな顔だったのだろう。

 この後に籠宮こみや風見かざみが来て、俺の事を心配して何度も声をかけたそうだ。

 その声に気付くまでに10分はかかったらしい。


 どうすれば良いんだ・・・



 彼を混乱させた、どうしよう・・・。

 それでも、伝えたからには、覚悟しないといけない。

 1階の売店横にある自販機の所で、私、冴木 さくらは憔悴した顔でいた。

 不安がドッと襲ってきて、体が震えてしまっていた。

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