第23話 今年度の締め
生徒会の引き継ぎが終わり、今生徒会室には、俺と
「
音頭を取る門倉先輩。
「うむっ、頼もしい新役員に
そう言って貰えて助かる。
「では、新生徒会の安泰と我ら旧生徒会の今までの頑張りに!」
「「「「かんぱーい!!!!」」」」
打ち上げ、スタートです。
各自持参したお菓子を食べつつ、談笑がおおいに盛り上がった。
これで、この4人で集まるのは最後となる。
※
あっという間に時間は過ぎ、最後に土谷先生が顔を出した。
すると門倉先輩と三葉先輩は土谷先生に感謝の言葉を述べて、長方形のラッピングされた箱をプレゼントした。
中身は、万年筆擬き、と2人は言った。
それでも先生は嬉しかったのか、何度もありがとうと言っていた。
こうして打ち上げは終わった。
後片付けをして、荷物をまとめて、生徒会室を出た。
校門に着くと、林と三葉先輩は仲睦まじく帰り、俺は門倉先輩を送る為に一緒に帰っている。
「今日は楽しかったな」
「楽しかったですね」
「最後・・・だな」
ずしりと門倉先輩の言葉がのし掛かる。
本当に3学期はめったに会えなくなるんだな。
「たまに見掛けたら声をかける」
「俺もそうします」
いつでも会える当たり前が、もうなくなってしまうのか。
「今生の別れのような顔をするな!」
思い切り背中を叩かれた。
「痛いっす」
「君には丁度良いではないか!」
ニッと笑う先輩。
この笑顔に何度救われた事やら。
「なぁ、良いか?」
「何がです?」
すると横にいた門倉先輩は俺の目の前に立った。
俯く先輩。なんだか、いじらしく見える。
俺は急かさず待つ。
数分後、ようやく先輩は顔を上げて突然の事が起こった。
「好き」
えっ・・・
頭が真っ白になる。
「返事、待ってる」
鼓動が早くなる。
「じゃあ、また、ね」
手を力なく小さく振ってから、先輩は足早に帰宅したのだった。
立ち尽くす俺は、雪がチラチラと降ってきている事に気付いていない。
告白・・・されるなんて、思わなかった。
※
ついに伝えた、自分の気持ち。
これで良い・・・。
あとは、待つだけ。
成就してもフラれても、どちらでもいい。
天命を待つではないが、待つしかない。
私、門倉
とてつもなく、涙が流れて、止まらないから、泣き止むまで、泣き続けた。
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