第19話 光景を見て
いない・・・先輩、帰ったかな?
私、
今は教室にいて自分の席で休んでいる。
どこにもいないなら、諦めるしか・・・。
「あっ・・・」
窓の外を見ると、とある2人が校門付近で一緒にいる所が目に入った。
街灯で照らされた2人・・・。
目を細めて見ると、ハッとした。
「先輩と・・・
先を越された・・・。
きっと、校内をうろつくより校門で待つ方が賢いに決まってる。
「はぁ・・・一緒にダンスをと思ったのに」
私は机に突っ伏して項垂れた。
※
「まっ・・・っ・・・」
私、
だって冴木さんと合流してしまった彼を呼び止める事は出来ない。
昇降口で私は彼を見つけたが、後ろから驚かそうと思って校門の所まで尾行していた。
まさか校門の街灯下に冴木さんがいるなんて知らなかった。
2人はそのまま一緒に下校してしまった。
「声をかけとけば良かった・・・」
物凄い勢いで後悔が襲ってくる。
「早く・・・言わなきゃ・・・」
必ず、誰よりも先に、言わないと・・・。
※
言われた通りに、冴木に連絡を入れた。
数分後、返事がきた。
「どれどれ」
画面を見ると。
『今日はありがとう』
『いえいえ』
『ちゃんと考えた?』
『何を?』
『どうしてこうかな?』
『はい?』
『はぁ、切り替えよう』
全く分からん。
この後は他愛ない会話をしばらく続いた。
※
好きだから、連絡して欲しくて、お願いをした。
本当は自然と彼から連絡がくると嬉しいのに。
そんなことを考えながらベッドで仰向けになる私、冴木
このままの生ぬるい関係から、前進出来ないものか。
彼の中には気になる人は他にいる。
振り向かせるにはどうしたら?
そして、もう1つ。
本人に聞いてはいないけど、私の勘は当たる自信はある。
その勘とは、こう。
彼の中で、忘れられない人がいる
「なんか、そんな気がする」
どんな人なのかな・・・
なんだか、負けてしまいそうだな・・・
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