第14話 門倉楓との会話
「すまぬ・・・」
「大人しくして下さい」
俺は
熱を出したとの事で、俺は駆け付けた次第。
「はい、おかゆ出来ました」
「ありがとう・・・ゴホゴホッ」
全く・・・2学期に向けての生徒会準備を、1人でやっていたお陰で体を壊すという。
「食べさせましょうか?」
「
先輩は体を起こして、テーブルに置かれたおかゆをレンゲで掬って食べた。
「塩加減が良いな、美味い」
「梅干しあるんで」
「おっ、本当だ」
梅干しも食べた先輩。
1人暮らしとはいえ、女の子の部屋は初めてで緊張している。
「簡素ですね」
「物はなるべく置かない主義さ」
なんか分かるなー。
机と椅子、本棚に収納ボックスが3つ。
あとは布団と目覚まし時計。
「なんか置いてるのが、必要最低限って良いですね」
「君の部屋はどうなんだ?」
「汚いかと・・・最近散乱していますからプリントとか」
「元気になったら片付けに行ってやる」
本気の目が俺を射抜く。
「それは有難い」
「やましいの、ないのか?」
「ないですね」
やましい本やDVDなど持ってない。
「つまらん」
ジト目で言う先輩。
「はい?」
「健全に生きろ」
「先輩の方がヤバい」
一体、何に期待しているんだか。
※
「あと何かやって欲しい事はありませんか?」
「特にないな」
「では帰りますね」
「今日は本当にありがとう、助かった」
夕方になる頃には熱はすっかり下がった。
「今後は無理しないように、これは俺がやっときますね」
「すまぬな・・・」
「この資料くらい、ちゃちゃっと出来ますから」
「優秀な後輩がいて助かる助かる」
「優秀ですかねぇ」
暗くなってきたし、さっさと帰ろう。
「それじゃ、また」
「待て」
ん?
「その、1つだけなんだが・・・」
何だろう?
「祭りの日、誰かと一緒?」
あっ・・・
「はい」
正直に
「そっか・・・」
がっかりさせちまった・・・
俺は先輩の顔を見ないように部屋を出た。
※
そっか・・・そうだよね・・・。
膝を抱えてじんわり出る涙を止めようと、顔を埋めた私、
きっと、
先を越された、悔しい・・・。
どうすることも出来ない。
邪魔をしたら、最低だ。
はぁ・・・一緒に行きたかったな・・・。
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