第9話 虚像
あれから数日が経った。警察の長谷川はここ数日家に帰ってきてない。あんな事件があったんだ、当然といえば当然か。今思えば芽衣は何故簡単に逃がしたのだろうか、彼女の押さえつける力はひどく弱かった。俺はこの謎について知っていそうな人に心当たりがあった。
悠斗のお店に飾られていた芽衣、悠斗、木村の三人が写っている写真に俺が写っていない。幼馴染で撮った写真だと聞いていた。昔、芽衣に「私は湊の幼馴染」と言っていたがこの写真に俺が写っていない。たまたまそこに俺がいなかったのかもしれないが、俺は幼馴染ではないのかもしれない。木村と悠斗、芽衣に何かしらこの前の事件と繋がりがある可能性があるな。
「湊、ちょっといいか?」
振り返ると、神妙な面持ちな顔で立っている樹に声をかけられた。いつものおちゃらけている雰囲気ではなく、真剣な様子だった。
「こんなものが落ちてたんだ」
と一枚の紙を渡される。
「これは..なにかの暗号か?」
「恐らく。でも全く分からないんだ」
そこには25211109231511151815190920011415080119090815とC…03,Z…26が書かれていた。
「こんなものどこで見つけたんだ?」
「芽衣の部屋から見つけたんだ」
芽衣は俺に何か伝えようとしたのか?彼女は過去にあった事件の真相を知っているんだ。彼女が残したメッセージを読み取って事件の手がかりを見つけよう。
「湊これどういう意味か分かるか?」
「全くわからん。でもCが3でZが26なんだろ?」
「さぁ何だろ」
◇◇◇
考えること20分
「はっ!そうか、分かったぞ」
「本当か湊」
「あぁ、多分わかった」
しかし、これが本当なら本人に聞きに行かなきゃな。
「樹、今から出かけるぞ」
「おい、さっきの暗号のか答えはなんだったんだよ」
「後で教えてやるからとりあえず行くぞ」
「後、樹は俺が芽衣と過去付き合ってた話を知ってるか?」
「そんな話聞いてないぞ、お前が付き合ってたのは由紀だろ?…あっ」
「やっぱりな、知ってたんだな」
「違うんだ、あんなこともあったしお前の体にも悪いからって…嘘ついてたんだ。すまない」
「俺のこと気遣ってくれてたんだろ?ありがとな」
「だからもう裏で調べる必要もないぞ」
「なんで湊がそんなこと知ってんだよ」
「長谷川さんが教えてくれたよ。樹からは秘密にしてくれって言われたけど、解決には俺の協力が必要だからって。樹には悪いと思ってるって言ってたぞ」
「そうか…」
「じゃ行くか」
「おう」
そして2人はこの時間の真相を知ることになる。
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