悪役令嬢は再会したようです
「大丈夫か。シャルねぇちゃん。」
『だいじょうかな?』
『だいじょうぶだよ!!』
『もう!!だからもっとゆっくりって、いったのに!!』
光は私を心配するように、周りを飛び回った。
「シャル!!こっちこっち!!」
カリーの手をとって立ち上がると、エンディーが手招きしていた。
「カリーにエナねぇちゃんまで!!どうしてここに?」
「シーっ見て見て...」
エンディーが寝っ転がっているところに行くと、エンディーに引っ張られ私はエンディーの横に転がった。
エンディーの見つめる先、そこには二人の人影がいた。ソリアの膝枕にドムリが寝ていた。
『(うわぁーおー)』
不覚にも、光たちと同じことを思ってしまった。
「ふふふっほんといっつも熱々だこと。」
「「うわっ!?」」
急に後ろから声をかけられ、私とエンディーは驚いた。
「ノームル様、お久しぶりです。」
カリーはそこに現れた、人物に跪いた。
その人物は、エルフに負けず素晴らしい美貌だった。
そしてとても大きかった。私がまだ子どもだとしても、私の倍はあるだろうその人物を私はつい見上げてしまった。
(エルフが凛とした美貌だとすると、こっちは、全てを包み込むような和らかい美貌って感じ...)
「久しいな、フィル。いや今はカリーだったか。」
「主よ…この度はまた助けて頂きなんと申し上げたらいいのか…。」
ノームルの存在に気がついた、ソリアもカリーと同じように跪いた。
「また、助けられた。感謝する。」
「そんな言い方だめよ。」
「よいよい、アイリス、リムも久しいな。よくぞ来たな。我が花園へ。歓迎する。」
「はっありがたきお言葉。」
「して、その子がシャロルか...ふふっあやつも情が湧くとはな、シャロル...。」
「はっはい...。」
彼女に呼びかけられると、私は少し緊張した。
「...あまり神というかものを信じてはならん。私も言えたことではないがな...ふふっ」
ノームルは嬉しそうに笑って、去っていった。
背を向けられて気がついたが、その背には半透明な羽はキラキラと輝いていた。
(どういうこと??)
『ふーきんちょうした』
『ほんとに』
『でも、おう、わらってたね』
『うんめずらしー』
ノームルが去ると、私の周りの光が騒ぎ始めた。
「あら?シャル、いつの間に精霊と契約したの?」
「ん?どういうこと?....って私の事より、どうしてここにいるのかを先に教えてよ!!」
「そうだな。ソリア、俺にも教えてくれ。また気がついたらこの花畑だ。」
「わかったわ。カリー、エナもおいで〜」
ソリアの呼び掛けで、私たちは丸く広がった。五人の間を心地の良い風が吹き、花が舞った。
一息着くと、ソリアは話し出した。
「ここの話をするには、まず私の家系の話から始めないといけないわ。私の本当の名はアイリス・ノームル。今の名前は、ドムリことリムと駆け落ちするために作った偽名よ。」
「えぇ!!駆け落ち!!」
(やっぱりか...)
じゃああの時話した、昔話って言うのは全部本当にあった話なのだろう。
「そう駆け落ち。政略結婚なんてしたくなかったのよ。」
「えぇ!!政略結婚!!」
「「エナねぇちゃんうるさい!!」」
いちいち反応するエンディーにカリーと二人で口を抑えた。
「わかったわかった!!静かに聞くから!!」
「それで、駆け落ちしたんだけど、いろいろ問題があったのよ。どこ逃げればいいかわからなかったの。とりあえず森に入ったのはいいんだけど、どうすればいいかわからなくなってね。その時現れたのがこの子よ。スィーピア、」
「は〜い。スィーピアですぅ。現れたんじゃなくて、捕獲されたの方が正しいですぅ。」
ソリアの手のひらにちょこんと現れた。ピンクの花弁を服にし、ノームルと同じくその背には半透明な羽があった。
ふわふわしたプラチナブロンドの髪を指でくるくるしている仕草は実に可愛らしかった。
「かっかわっ。」
エンディーがまた騒ぎそうだったので口を塞ぎ、その後もソリアの話を聞いた。
ノームル家には代々言い伝えがあった。
『ノームル家初代家長のノームルによって、精霊の領土は森に覆い隠された。見つける鍵は、子孫から生まれるであろう、真の精霊族。そのもの、ノームルの血をひく。精霊の目を持つ。』
この言い伝え道理、この千年のノームル家の歴史で何人かたしかに、その領土を見つけた者がいるそうだ。アイリスは誰にも言わなかったが、この精霊の目を持っていた。
「それが、ここ
「お願いじゃなく、脅迫ですぅ。」
「スィーピアさん...。」
「はっはいぃ〜なっ何でもありませぇん!!」
一瞬ソリアの顔が怖いく思えたのは気のせいだろう。
「まぁとにかく、そうしてここにきたの。」
「「「なるほど...。」」」
私、エンディー、ドムリは分かったような分からなかったような感じだった。
「じゃあ今回はなんで、ここに来たんだ?」
「それは...」
「それは俺から説明する。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます